緊急災害時の字幕付与のパブリックコメント

「視聴覚障害者向け放送の普及行政の指針」の作成に当たって、緊急災害時の
字幕付与を求めるパブリックコメントに対して、総務省は以下のようにコメン
トしている。

パブリックコメント
緊急災害時の放送に字幕を付与することを記述すること

総務省の答え】
緊急災害時の放送に字幕を付与することについては、「デジタル放送時代の視
聴覚障害者向け放送に関する研究会」報告書において、「災害発生時の緊急放
送における字幕制作は、地名・人名等を正確に伝えることが求められ、聞き間
違え、変換間違えが許されないという事情がある。このような背景から、緊急
放送に字幕を付与するためには、予測不可能な事態に対応するため24時間高度
な技術を有する字幕制作要員を確保する必要があり、放送体制確保に伴う経費
負担の増加が課題となっている。」と指摘されており、現時点では、指針に記
述することは困難であると考えます。

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パブリックコメント
手話放送は、聴覚障害者にとって不可欠な放送であり、国連の障害者権利条約
で手話が音声言語と同様に言語として定義されたことからも、技術的な問題は
あっても、解説放送と同様に10%の目標を設定すべき。緊急災害時の放送に手
話を付すことを記述すること。

総務省の答え】
「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」報告書において
、「手話放送については、・・・・技術的課題、・・・・研究開発の可能性、
・・・諸外国の状況などを考慮しつつ検討していくことが求められる」と提言
されているところですが、ご指摘の点については、今後の検討にあたっての参
考とさせていただきます。


字幕制作にコストがかかるのは当然だ。緊急災害時にこそ、聴覚障害者に情報
保障する必要性がある。阪神淡路大震災のときも、茨城県原子力臨界事故も
そのことが教訓になっているはずだ。
緊急災害時の放送は、これは、NHK災害対策基本法に定められた報道機関で
、唯一の指定公共機関で放送義務が課せられている。国民の中に、聴覚障害
は含まれないのか。

増田総務大臣に国会答弁してもらいたい。


ラビット 記
写真は2007年7月16日の中越地震NHKの午前10:24と11:32の臨時ニュースの画面。
字幕放送はない!