障害者とマルチ・ステーク・ホルダー アプローチ(2)放送と動画へ



障害者は市民社会というカテゴリーで他のステーク・ホルダーと対等に意見、ニーズを出していく、そのためにも障害者権利条約の発効が待たれる。

日本障害者リハビリテーション協会のDINFのサイトに、確か国際的な取り組みの中に「津波対策と障害者」の文書があったが、これがマルチ・ステーク・ホルダーアプローチの結果なのかと見ていた。


ラビット 記
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(続き)
先住民族の障害者グループが独自のメーリングリストで、先住民族からみると権利条約は見切り発車ではないか、という問題提起をしていますね。
また、女性、子供、途上国、難民、等等の視点からの格差を課題にするグループもmulti-stakeholderには入りますね。
国連情報社会サミットの2003年のジュネーブサミットの準備過程で私たちが最も苦労したのは、ITに関する障害者のニーズを文書にやっと入れたと思うと、すぐに必ず、女性、子供、老人、青年の独自のニーズが入らないで障害者だけ特記されるのか、という議論で、なるほど入れようと言って入れていくと、最後に文章が長くなりすぎるという議論が出てきて、そもそもMillennium Development Goalに障害者という言葉が入っていないじゃないか、だから新しい目標は入れないという合意に沿って、全部削って、その他の社会的弱者として一括せよとして、これらの言葉全てが削られるということを最終ドキュメント採択までに何度も繰り返しました。

ネットで世界中のIDAやWAI関係者と相談しながら進めて、最後にAssistive technologies(支援技術または福祉機器)とユニバーサルデザインを両輪としてIT開発を進めるという基本路線を確認すれば必然的に障害者のニーズに至るということで、ジュネーブのサミット文書にこのことを明記しました。

また、メキシコ等のニューヨークの権利条約の議論で積極的な国々やサミット準備会議の議長に直接に説明し、何度か会議場で手渡しのビラまきもして、最後にやっと国連サミット文献で私の知る限り初めて障害者のニーズが言葉として含まれました。

同時に支援技術とユニバーサルデザインを両輪として進めていく考え方がIT開発の方向付けとして確認され、これが、権利条約の情報アクセス部分に大きな影響を与えています。

私たちが国連サミットにこのように一定の参加を果たしたのは、政府・国際機関・産業界・市民社会と大きく4つに区分けされるstakeholdersの中の、市民社会というチャンネルを通じてです。Multi-stake-holdersという時には、特に市民社会の参加が必要です。

というのは、政府と国際機関は何も言わなくても国連の正規の構成員であり、産業界も国際標準に関しては業界団体としてすでに参加のチャンネルを持っています。

市民社会とは、いわゆるNGOのほかに、大学や学会や地方自治体も含むといわれています。個人としての障害のある人は、どのセクターにも参加しているべきですが、障害者団体は市民社会というカテゴリーで、国連の活動に参加することができるし、それが今さまざまな場面で推奨されています。

河村