難聴者の就労支援施策について(2)

8月7日の要望書の続き。

この厚生労働省の検討会には、聴覚障害者当事者の団体が委員として入っていない。
就労施策を障害者権利条約の合理的配慮の観点から検討しようとするなら、障害者当事者を含めた検討が決定的に重要である。
議論の幅が広がり、時間もかかるかも知れないが、不十分な施策により
実施に移された時のトラブルや混乱を考えるなら、ずっと問題が少ない。

それぞれの聴覚障害者団体は他の関係団体に呼びかけて要求の集約が必要となる。


ラビット 記

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4.雇用者側の「合理的配慮」義務に対応した行政側の就労時施策として「障
害者雇用割当制度」、またそれに基づく「障害者雇用納付金制度」があります
が、就業・労働場面では「障害者介助等助成金」を雇用者側の「合理的配慮」
を補完するものとして明確に位置づけることが必要と考えます。

因みに聴覚障害の場合、現在の「障害者介助等助成金」は「手話通訳担当者の委嘱助成金」しか明文化されておらず、手話の理解の出来ない中途失聴・難聴者への配慮はありません。「障害者介助等助成金」制度は、障害者の就業時に必要な支援・配慮(例えば会議などでの要約筆記者の準備)に対応して整備・拡充すべきです。

5.就業に当たっての「合理的配慮」には、要約筆記者の派遣など人的支援に止まらず、会議室での磁気ループの設置、拡声機能のある電話機、テレビ電話の設置など補聴援助システムの整備、電話リレーサービスや遠隔コミュニケーション支援サービスの利用の確保を図ってください。

6.就業場面での「合理的配慮」は、必要なタイミングを外しては意味があり
ません。コミュニケーション支援に当たっては事後救済ではなく、即時的救済が可能となる施策を講じてください。

7.各種助成制度の申請要件は、中小企業にとってハードルが高いものです。企業規模に応じて、申請要件を緩和する措置を取ってください。

8.遅れた難聴者、中途失聴者の就労支援施策の検討のために、当事者団体、関連機関を含めた研究会を設けてください。