人工内耳と補聴器の自分の脳の反応

情報通信関係の展示会で、脳の働いている状態を見るシステムが展示されていた。

かねてから、人工内耳と補聴器をしている時の脳の状態がどうなっているか興味があった。
大学病院などで検査しなければ出来ないと思っていたがデモのような機会がおいてあるので被験を聞いたら出来るという。

島津製作所の近赤外線光をもちいて、脳機能を見るシステムだ。「光脳機能イメージング装置」(functional near-infrared spectoroscopy,fNIRS)は「安全な近赤外光を用いて、脳表面の酸素化ヘモグロビン、脱酸素化ヘモグロビンの変化をとらえることによりって、脳機能を無侵襲ににっが増加することが出来る」システムだ(島津評論、Vol.64No3・4(2008.4)P177)。

本来は、静かな被験室で外乱を排して検査するのだそうだが、うるさい展示場で人工内耳と補聴器で聞いている状態とスイッチを切った状態がどう違うかを見たかったた。
テレビなどでも見る頭に電極を付けた帽子のようなものを被って、耳の近くの脳の状態を見てくれた。

どういう仕組みで画像化するのか分からないがPCでパラメータみたいなものをたくさん設定して、すぐ計測が始まった。

上の図は、人工内耳と補聴器を使って説明員の話を騒音の中で聞いている状態。上から見た人の頭を図形の右の四角部分が補聴器で聞いている側、左が人工内耳をしている状態。
下の図は、補聴器のスイッチを切って、人工内耳だけで聞いている状態。

説明によると補聴器側の方が活性化しているという。人工内耳側はかすかに反応している。
補聴器を切った状態ではほとんど活性化していないという。
どうも左右の脳の反応に違いがあるらしい。

脳機能を、非侵襲的に測る方法として、脳波測定法(EEG)と脳磁図測定法(MEG)のような脳神経の電気的活動に直接由来した信号を基にしたものと、陽電子エミッショントモグラフィ(PET)、fMRI、fNIRSのような神経活動に付随して起きる血流や代謝の変化を餅にしたものとがある(同上誌、P181)とのことだ。

脳機能のことに関心があるのは効果的な人工内耳リハビリテーション方法の開発に役に立つのではないかということだ。乳幼児の人工内耳リハビリテーションにも応用できるのではないか。 
こうした研究は、諸外国の例も調査して、国のプロジェクトして進めて欲しいものだ。


ラビット 記