ユニセフの障害者権利条約の本「わたしたちのできること」

国際児童基金ユニセフが、障害者権利条約の内容を児童に理解するための本を発行した。
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/rights/rightafter/unicef_jp_Lo.pdf

障害者の権利条約は、障害を持つ人が持たない人と同等の権利、人権を有することを宣言しているが、もちろん障害を持つ子供も含まれている。

この障害者権利条約は障害者に何か特別な権利を与えるものではないこと、障害者のための条約でもなく、一般市民の人権に関する条約として、理解することが重要なことを考えれば、児童に対して、子供の人権条約も合わせて、その目指すところを実現していく必要がある。

難聴の子供の問題を言えば、親も教育関係者も「聞こえの問題」としてか見ていないようなのが気になる。

子供にしてみれば、同世代の子供の社会にいる中で、難聴が元でいろいろな問題を抱えているのだ。思春期の心身の発達の問題、友だち関係、学校の学習、テレビや携帯の利用などの問題だ。「聞こえ」の問題を解決するのではなく、子供の心身発達の問題に聞こえの問題がどう影響しているかを考えながら、対応することが必要だ。

自分の体験を振り返っても、中学生になって補聴器を与えられてもそのことで、友だちとの関係、授業の理解、生理的発達の問題がどう解決されるのか分からないままで、1年間補聴器を使用しないでいた。


ラビット 記

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感謝(かんしゃ)をこめて
この本(ほん)を書(か)いたのは、ビクター・サンチャゴ・ピネダという人(ひと)です。ビクター・サンチャゴ・ピネダは、ビクター・ピネダ基金(ききん)を作(つく)った人ひとで、障害者(しょうがいしゃ)権利条約(けんりじょうやく)の内容(ないよう)を考(かんが)えた特別(とくべつ)委員会(いいんかい)に、最年少(さいねんしょう)の政府(せいふ)代表(だいひょう)として参加(さんか)しました。
この本(ほん)を作(つく)るプロジェクトを始(はじ)めたのはユニセフで、ユニセフの児童(じどう)保護(ほご)セクションのヘレン・シュルツが、最初(さいしょ)から中心(ちゅうしん)になって進(すす)めてきました。それを手伝(てつだ)ってきたのが、ユニセフの青少年(せいしょうねん)開発参加(かいはつさんか)ユニットのVoices of Youth(青年(せいねん)の声(こえ))コーディネーター、マリア・クリスティーナ・ガレゴスです。そして、これを本(ほん)としてまとめたのは、 ユニセフのコミュニケーション・ディビジョンです。

(同書から)