パソコン要約筆記とリアルタイム文字入力の違い

裁判員制度政見放送などで、「パソコン要約筆記」が注目されている。

裁判員制度では、裁判所の電子速記システムを聴覚障害者の情報保障として、考える向きもある。
その場合、パソコン要約筆記とリアルタイム文字入力の違いを理解しなければならない。

電子速記システムやコンピュータソフトの音声認識の場合、発声された音声を漢字仮名交じり表記にして表示することが可能だ。
改行やケバ取りなどの加工はあるにしても、基本的に話された言葉の音(オン)を文字に変えていく。

これは、パソコン要約筆記が話された言葉の意味を伝えるために、表出された文章が理解しやすいように、積極的に要約筆記者の概念再構築による文章であるのと大きな違いだ。

つまり、リアルタイム文字入力はその表記された文字列が意味を伝えたかどうかは、責任を持たないのだ。


ビートたけしの歌を初めて聞いたが、浅草時代の下積み時代の思いを歌ったものだという。
以外と高いキーも声が出ているし、照れながら歌っている様子が周囲への人への感謝の気持ちが表れていると思った。

おそらく、歌を文字にしただけでは、たけしの想いは伝わらないだろう。音声に加えて、テレビの映像の力は大きい。
歌は、音声があって、伝わる。字にしただけでは伝わらないものがあるように、話し言葉もそのまま文字にしただけでは伝わらないものがある。

難聴者は、それぞれの情報保障手段を対立させるのではなく、特徴、限界をよく理解して、利用しなくてはならない。
違いを理解すれば、パソコン要約筆記とリアルタイム文字表記は併用しても良いのだ。


ラビット 記