国会図書館のデジタル化はアクセシブル目的に

国立国会図書館の図書がデジタル化されるにあたって、障害者・高齢者の読書のアクセスが容易になるように期待する。

障害者の権利条約の審議の過程で、WFDのリサ代表が図書の手話によるアクセシビリティを訴えていた。


ラビット 記
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皆さま唐突ですが、緊急を要する補正予算の有効活用につきまして下記のような投稿をいたしました。5月31日付朝日新聞朝刊「声」欄に掲載されました拙稿を下記に引用します。
これを機会に国立国会図書館電子図書館が諸外国の国立電子図書館同様に障害者・高齢者をはじめとする読書が困難なすべての人に配慮したものになるように、緊急に行動を起こす必要があると考えておりますが、下記投書の内容についてご意見を頂ければ幸いです。
お忙しいところをお読みいただきありがとうございました。草々
デイジーコンソーシアム会長河村 宏
e-mail hkawa@daisy.orgwww.daisy.org
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以下、掲載された投書の文章です。

デジタル化は教科書優先で
福祉団体役員  河村 宏 (東京都調布市 62)

 予算約126億円がついた国立国会図書館のデジタル化を本紙社説が支持した(25日朝刊)。適切な形式のデジタル図書は多くの障害者や高齢者に優しい。発達・学習障害などで「読める」教科書がない子どもたちも国内に多数おり、デジタル化には教科書整備を優先すべきではないだろうか。
 私も携わる日米欧豪の非営利団体はデジタル録音図書の国際標準規格「DAISY(デイジー)」を開発、無償提供し図書のデジタル化を進めてきた。デイジー図書は文章に音声・画像がつき、検索が容易で、視聴覚障害のみならず発達・学習障害児を含む人々が自力で読める。

 日本では視覚障害児のために拡大教科書は予算化されているが、発達・学習障害児にも有効なデイジー版教科書はボランティア頼りで、供給が足りていない。

 教科書のデイジー化は昨年の著作権法改正で認められ、国会図書館がデイジー版教科書を提供するための法的環境は整った。「読める」教科書のない子どもたちや高齢者の存在に心を配った蔵書のデジタル化を切に望む。