難聴者の自立支援に心理学の必要な理由

Yさん、

難聴者は「難聴であること」を周囲の人にどのように説明するか困っていると申し上げましたが、実は他ならぬ自分が一番必要としているのではないかと気が付きました。

つまり、聞こえない自分をどう説明するかということは、聞こえている世界にいる自分はどういう存在なのか,どのように認識するかということであり、これはアイデンティティの問題です。

難聴者のアイデンティティの問題というのは、自分は難聴者であるという認識をもつことではなく、聴覚生理や障害は機能障害を持つ人と社会の理解と「障壁との相互作用」(障害者権利条約)であることなどを理解し、その上で自分が自分である、ユニークな(唯一無二の)自分であるということを理解することです。
これが自立の始まりです。難聴者の自立支援とは自分をどう見るのかを一緒に考えると言うことです。

一緒に考えるということは、同じ難聴者たちと手話を学んだり一緒に趣味を楽しんだりと、いろいろな形がありますが、同じ難聴者と触れあうことはもう一人の自分を見ることにつながります。つまり、アイデンティティの確立に大きな機会になっていると思うのです。

難聴者の自立支援の活動をしている人、特に難聴者自身の方はピアメンターと言いますが、心理学の学習が必要です。
これは心理臨床という分野で、先ほどの人間の成長過程におけるアイデンティティの問題や心理学的対人援助の方法をきちんと学ぶということです。日常的な活動の中で身につけている部分があるかも知れませんが、いろいろな難聴者を支援する立場にある人は接している難聴者に対して責任があると思うのです。

難聴者自立支援者研修プログラムのようなものが必要ですね。

まとまりがないですが、行政に難聴者の自立支援施策を実施してもらうために考えてみました。


ラビット 記
都心にもニューヨークのマンハッタンのセントラルパークのような公園がある。それほど広くはないが、それでも日比谷公園よりは広い代々木公園。