放送バリアフリーと著作権問題

著作権法改正に伴って、視聴覚障害者の放送番組やDVDなど記録メディアの著作物へのアクセスが拡大されるとされている。

2010年1月1日施行のための政令の作成が文化庁で進んでいるが、聴覚障害者団体は改正著作権法聴覚障害者にとってはきわめて不十分だということを強調している。

それを政令で補うのではなく、逆に聴覚障害者の著作物利用が制限される方向で進められている。

聴覚障害者に貸し出しまたは配信する字幕や手話の入った著作物の制作には、文部科学大臣の指定を受けることとされているが、その指定を受けるハードルが高すぎるのだ。

しかし、先週の障害者放送協議会放送・通信バリアフリー委員会では、次のような問題提起がされた。
著作権法の改正でアクセシブルな著作物を作成するために、いくら著作権を制限しても、著作権者や放送事業者、出版社の代わりに、指定事業者が労力とコストをかけて行うだけであり、本来は著作権者、放送事業者、出版社こそがアクセシブルな著作物を制作、発行する義務があることを忘れてはいけない。
いわばユニバーサルデザインに基づく放送、著作物の制作、出版こそが求められる。

そのとおりだ。


ラビット 記