10.30全国大フォーラム実行委員会

今、初めて厚生労働大臣として参加した長妻厚生労働大臣に、全日本ろうあ連盟石野理事長から大フォーラムアピール文が手渡された。

10.30全国大フォーラム呼びかけ文の要求事項と聴覚障害者、難聴者等の関わりは多い。




ラビット 記

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●「自立支援法」を廃止し、障害者の権利条約にふさわしい障害者施策、真に障害者の自立・地域生活を権利として実現する制度確立を求めます
 ※障害者権利条約の理念に、難聴者、中途失聴者の権利も含まれていることは明瞭だが、第2条のコミュニケーションの定義に、難聴者の用いる音声、文字、マルチメディアなどを用いる補聴器と補聴援助システム、字幕、要約筆記などあらゆるコミュニケーションの方法が含まれている。
これを踏まえた障害者施策の確立は重要な問題だ。

●「自立支援法」が当事者不在の拙速な検討の結果つくられた反省をふまえて、 今後の障害者施策について、障害当事者・現場の声に基づいて検討することを求めます
 ※社会保障審議会で地域支援のあり方検討会が開かれた際、全難聴はヒアリングすら受けないで進められた。

その結果、身体障害者手帳を持たない難聴者への支援が漏れ、要約筆記者制度への転換も遅れた。
いままた障害者当事者の声を聞きながら施策を作るという障がい者制度改革本部すら障がい者不在のまま設置されようとしている。

●新法では障害者の生活を直撃している「応益負担」をあらため、障害者本人の実態をふまえた負担への変更を求めます
 ※障がい者が自立するためにサービスを利用するのに「負担」を求められることは所得保障を含めた対策が必要。就労支援など安心して生活に見合った収入の得られる対策を講じなければならない。

●新法では制度の谷間のない総合的な制度とし、障害者の定義については発達障害高次脳機能障害、難病等を対象に含め、障害者手帳の所持を要件とせずサービスが必要と認められた者を対象とすることを求めます
 ※制度の谷間にいる障がい者に、難聴者がいる。身体障害者福祉法聴覚障害の基準に達しない難聴者は社会福祉制度のサービスが受けられない。浜崎あゆみさんのような片耳難聴、失聴も制度から漏れる。

●「できる、できない」ではなく「どのような支援が必要か」という視点から、 障害者一人ひとりのニードに基づくサービス支給決定の仕組みとすることを求めます
 ※難聴者には、コミュニケーション、情報保障だけでは不十分だ。その他に、生活コーディネーターとも言うべき支援者が必要だ。
これは、ボランティアではなく当事者の主権をより高める視点で行われるものだ。

●地域生活支援事業となり大きな地域間格差や後退が生じた移動支援事業やコミュニケーション支援事業等に対して、国が責任をもって財政保障をすることを求めます。また、手話通訳・要約筆記等のコミュニケーション支援は、その言語的な特性をふまえ、権利として保障されるべきであり、全て無料とすることを求めます
 ※コミュニケーション支援は、聴覚障害を持つ人を支援するのではなく、聴覚障害を持つ人のいる「場」を支援するものだ。つまり、聞こえない人が手話通訳、要約筆記を通じて、その場で話されていることを理解するということは話した人、その場にいる人全体の支援ということだ。
 聞こえない人が負担することになじまないゆえんだ。

●どんなに障害が重くても、地域で暮らせるよう、自治体が支給決定したサービス、地域生活支援事業に対して国が責任をもって財源保障することを求めます。
 ※障害を持つことは誰でもあることであり、いつ障害を持つかも障害を持って生まれることすら自分で決められない。
「障害を持った不幸」より「我が国に生まれ来る不幸」を感じないで暮らせる社会が必要だ。

●介護、日中活動、ケアホームなど地域生活の社会資源を維持できるよう、現行の日割制度をあらためるとともに報酬単価・体系の見直しを求めます

●真に「施設・病院からの地域移行」が進むように、「精神障害者退院支援施設」等の廃止と、ピアサポート等の当事者活動への支援・退院促進事業・地域での住まい確保策の充実を求めます

●「子ども」の支援について現行の「自立支援法」の枠組みではなく、「子ども」の権利の観点からつくり直すことを求めます。

●所得保障、扶養義務問題等、手つかずの基本課題の解決を求めます

●日本でのノーマライゼーション、施設・病院からの地域移行実現のため障害者予算の飛躍的拡充と地域生活のサービス基盤整備のための特別立法を求めます。

 さよなら障害者自立支援法! つくろう!私たちの新法を!
 10.30全国大フォーラム実行委員会