難聴者の上司はどうして怒るのか?

難聴者のエンパワメントには、周囲に起きる状態を理解して対応することを学ぶ必要がある。

街中で電話しなければならないときどうするか。知人に食事を誘われた時どうするか。自治会の総会に出なければならないがどうするか。
など、聞こえに関する断片的な知識を立体的に使う方法を学ぶのだ。

職場の上司がいつも怒るがどうすればよいか。
なぜ怒るのか。聞こえる世界の人として通常の声で伝わるコミュニケーションをしていれば、スムーズに伝わらないのは想定外のことであり、どのように難聴者とのコミュニケーションにどう対処すればいいか知らない時、慣れていないとき、頭だけで理解している時、ストレスとなって思わず怒りの感情に転化するのではないか。難聴者を責めているというよりは、スムーズな理解につながらないことが怒りの表情、感情に出るのではないか。

自動車教習所の教官がなかなか出来ない受講者にも怒りがちだし、職場でも先輩の女性社員が後輩に仕事を教える時に間違いを繰り返したりする場合、パソコンの初心者に同じ操作方法を何度も聞かれた時とか、一般社会でも怒りっぽくなっているのは何度も見ている。

つまり、このくらいのことは出来るはず、分かるはず、伝わっているはずと思いこんでいることが出来ていないとそれがどういうわけか「怒り」の感情に転化するのだ。
相手を責めているようだが実は自分の対応の不十分さに対して怒りを持ってしまうのではないか。

ということを難聴者が知っていれば、怒っている上司にこっちだってもっと分かるように伝えて欲しいとか怒りの感情を持って対応しては本当に「対立」してしまうので、その時はいったん「お詫び」をしてやり過ごし、改めて筆談等で確認するのが良いというようなことを学んでおく。


こういう例を集めて、学び合う場が難聴者には必要なのだ。難聴者寺子屋か。


ラビット 記
今朝のホテルから見た朝日