チリ大津波情報と障害者権利条約

今回のチリ地震の大津波情報の政府の対応やNHK報道には大きな問題がある。

午前中の平野官房長官が「情報収集と国民への情報提供には万全を期す」とか「政府一丸となって」などと緊急記者会見で言っていた。
しかし、聴覚に障害のある人たちに伝える具体的方策をとっていない。

首相官邸に、手話通訳を常駐させるのか派遣するのかともかく、障害者権利条約の基本的人権の保障に関わる問題だ。
政府が公式コメントを公表する際に、すべての障害者にも分かる形で言わなければならない。

障害者権利条約第21条 表現及び意見の自由並びに情報の利用
 締約国は、障害者が第2条に定めるあらゆる形態の意思疎通であって自ら選択するものにより、表現及び意見の自由(他の者と平等に情報及び考えを求め、受け、及び伝える自由を含む。)についての権利を行使することができることを確保するためのすべての適当な措置をとる。この措置には次のことによるものを含む。

(a)障害者に対し、様々な種類の障害に相応した利用可能な様式及び技術により、適時に、かつ、追加の費用を伴わず、一般公衆向けの情報を提供すること。

(b)公的な活動において、手話、点字、補助的及び代換的な意思疎通並びに省会社が自ら選択する他のすべての利用可能な意思疎通の手段、形態及び様式を用いることを受け入れ、及び容易にすること。

(c)一般公衆に対してサービス(インターネットによるものを含む。)を提供する民間の団体が情報及びサービスを障害者にとって利用可能又は使用可能な様式で提供するよう要請すること。

(d)マスメディア(インターネットを通じて情報を提供する者を含む。)がそのサービスを障害者にとって利用可能なものとするよう奨励すること。

テレビのL字型情報提供には緊急時には限界がある。
気象庁の「あとから来る津波の方が大きい傾向がある」とか、「引続き警戒が必要」とアナウンサーが言ったことはすぐには流れるテロップに出てこないからだ。

花咲港の水位の写真が並べた映像があった。
午後4時のには岸壁の車のタイヤが水に使っていて、午後4時15分のは地面が見えている。
聞こえない人が、これだけ見ると津波の水位が下がった
もう安心だと判断してしまうが、ニュースの解説者は「津波はいったんひいてまたその後で大きい波が来る」ということ過去の大津波の例を引いて話していた。
これは字幕放送をしていないのでわからない。

明日の推進会議に、政府やNHKの対応について、意見を述べて欲しい。


ラビット 記