桜は咲いたが・・・ 難聴者の介護福祉士に。

今日が発表日だった。
しかし、憂鬱な気持ちになっている。
一つは、同じ介護福祉の仕事に携わる仲間が東日本大震災で食料、水、燃料、電気もない中で被災した高齢者や障害者の元を離れずに付き添っているからだ。
一般市民が避難しても避難できない介護支援を要する人々が大勢取り残されている。
自身が被災した身ながら利用者に寄り添う姿は介護福祉士の倫理綱領の精神そのものだ。
地震、巨大津波放射能汚染、飢餓という極限状況の中で仲間は人の尊厳を守るという任務を身を挺して果たしている。
彼らの隊列に加わることの崇高な使命感にうち震えている。

もう一つは職場で暗に退職を示唆されていることだ。
今年で60歳になり、来年3月31日で定年だ。
この大震災の中で言葉が飛び交う職場で難聴者が仕事をするのは容易ではない。「お荷物」とされた身でこの時期に会社の業務に貢献するのは先が見えない。
しかし、要約筆記者の派遣をコストカットの理由で止め、仕事を難聴だからと次々と取り上げてきたのは会社だ。
上司の個人の考えではない。それを認めている役員、社長もそれを受け入れている。会社の責任だ。
前の脳性マヒの同僚は在宅勤務に追いやられてしまった。
ブランドバリューのある会社の職場に合理的配慮のない無権利状態に怒りに震えている。


ラビット 記