最新の障害者施策 きょうされんTOMOより

きょうされんTOMOのメルマガより

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今日は、最新の障害施策の情勢についてお伝えします。
TOMO市を運営している障害者団体「きょうされん」は、日本障害フォーラム(JDF)の一員として、東日本大震災の被災地への支援活動を行なっています。
http://www.kyosaren.or.jp/news/2011/sinsai.htm

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東日本大震災で露呈した障害のある人を支えるシステムの貧寒さ

今月8日から15日まで日本障害フォーラム(JDF)みやぎ支援センターで宮城県内の被災障害者の支援活動に携わってきました。

自らはセンター事務局での活動が中心だったので、被災者の訪問活動で被災地に出向くことはほとんどありませんでした。
その中でわずかな機会に名取市の被災現場や避難所を訪れたのですが、津波が襲った跡の被災地は実際にこの目で見ると、テレビ映像で見た以上にその凄まじさを実感しました。

JDF支援センターに滞在期間中に、被災した障害のある人や作業所を訪問して聴き取りした報告を聞くと、障害のある本人は助かったものの自宅が流されたり、家族の行方が今だわからない等々、他にも障害のある人たち自身も命からがらとはまさにこのこと、というようなことが幾例もありました。

こうしたなかで障害のある人を支えるこれまでの制度はこの事態に本当に力になっているのか、また障害のある人を緊急時に支援する手だてが打たれる仕組みが築かれるようになっているのか、非常時にはこのことがとても大切です。
いずれも今回の事態にあって合格ラインを越えたものはありません。

とくに障害者自立支援法にあっては、福祉サービスや自立支援医療における利用者負担は本人に重い負担を課すことになり、事業所の日割報酬制度は経営危機に陥れるものに転換してしまいます。
その後、厚労省から被災地における支援策が講じられ幾分救われましたが、当制度の根幹部分に関わる問題だけに自立支援法の廃止とそれに替わる総合福祉法の内容がやはり重要な課題だと言えます。

■震災で延期されていた障害者基本法改正法案が近く国会提出へ
18日に第31回障がい者制度改革推進会議が2月14日以来久しぶりに開催されました。
本来ならば3月中旬にも閣議決定予定であった障害者基本法の改正法案は、震災が起きたことにより閣議決定できずに国会提出も先送りされています。

法案は推進会議の上部組織である障がい者制度改革推進本部(本部長は菅直人首相)にて既に了承されており、後は閣議決定を控えるのみとなっています。
したがって今推進会議では法案説明が行われたものの法案修正や変更を求めることは適わず、法案の理解や解釈に対する質問や意見を出す機会と位置付けられました。

それでもJDFをはじめ多くの委員からは、法案への疑問や懸念が相次いで表明され、こうした課題は今後の国会審議などを通じた立法府での法案修正に持ち込まれることになりました。

<きょうされん事務局長 多田 薫>