障害者基本法改正法成立に障害者団体は・・・!?

全難聴から「推進会議便り」No35号が配信された。
障害者制度改革推進会議で議論している内容が国民各層に伝わったかどうかを考えると心許ない。
前の与党や省庁の役人に障害者団体が熱意を持って協議したことが伝わっていない。
同じ難聴者組織にすら理解されているとはいえない。

ラビット 記
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障害者基本法改正案成立!
障害者基本法国会審議の経過】
障害者基本法の改正については、「推進会議だより」34号で、6月14日衆院内閣委員会で可決、16日の衆院本会議を経て参議院に送られたところまでご報告しました。
その後国会は70日間の会期延長があり、障害者基本法改正案は成立確実とされていながら、混迷する国会情勢のなか、参議院での審議はなかなか始まりませんでした。漸く、7月26日に法案の趣旨説明が行われ、28日の参議院内閣委員会で2時間10分の審議を行い、全会一致で可決、翌29日の参議院本会議で可決成立しました。障害者制度改革が始まって、最初の成果ともいうべき障害者基本法改正ですが、当事者団体などからの歓迎声明は見当たりません。「可能な限り」という表現に象徴されるように、障害者制度改革第1段ロケットの推進力に対する不安感がぬぐえない状況です。

参議院での審議】
7月28日の参議院内閣委員会の審議を傍聴しました。政府よりは細野内閣府担当大臣、福山副長官、園田政務官が出席、それに加えて修正案の提案者である民主党の西村議員、公明党の高木議員も答弁に立ちました。

 審議では、精神障害社会的入院の問題、特別支援教育に必要とされる経費、震災での要援護者名簿のありかたなどの質疑がありましたが、自民党の衛藤議員は「権利が前面に出て、福祉向上の規定が削られたのは問題」と質問、これに対し細野大臣は「推進会議の意見を取り入れ、政府案として決定した。」と答弁しました。また、何人かの議員が「可能な限り」の文言の意味について質問しましたが、細野大臣は「最大限の努力をするという意味」と答弁しました。

 審議で注目すべき点は、基本法改正案にある「障害者政策委員会」の構成についてで、委員からは「施設関係者、事業者なども含めた中立・公平なものとすべき」との意見と「委員会構成については、制度改革推進会議の経過を尊重すべき。」との意見が出て、細野大臣は「最終的には首相が決めるが、今までの経緯は尊重したい。」と答弁しました。

 法案の採決の後、付帯決議が採択され、衆院段階ではなかった「障害者政策委員会の委員の人選に当たっては、障害者政策を幅広い国民の理解を得ながら進めていくという観点から、広く国民各層の声を障害者政策に反映できるよう、公平・中立を旨とすること。」という項目が入りました。「障害者を過半数に」というJDFの要望は無視された形で、後退した付帯決議です。