ろう者の欧州議会議員アダム・コーサ氏、朝日新聞「ひと」欄に。

欧州議会では23の言語に加えて、手話が同時通訳されていると言う。ハンガリーの手話だろうか。
手話言語法の制定を全日本ろうあ連盟が中心に進めているのも、こうしたことを実現させようということかもしれない。

しかし、障害者権利条約第2条の定義で、言語の一つに手話が音声言語と並んで位置づけられたことを持って、
「手話言語法」の名称で制定を進めようとする時、懸念を感じる。

「手話言語法」という名称では、手話が言語であるということを法制化しようとしていると見なされるからだ。
そうではなく、ろう者および手話を用いてコミュニケーションする難聴者、中途失聴者も含めた人々の基本的権利を守るために、手話を使うこと、手話通訳によるコミュニケーション保障を受けることを法制化をめざす運動であるはずだ。

どういう手話が求められているかは個々の聴覚障害者によって違う。個々に必要なコミュニケーション支援の方法、手段を求めるのは合理的配慮だ。
教育の場一つとってもろう学校では日本手話が主流だろうがある難聴児にとっては日本語手話の方が使いやすいはずだ。それは保障されなければならない。

ろう者の日本手話を使う権利を認める。それ以外の手話も日本語手話を認められなければならない。

※日本語手話:日本語の発声と同時に手話表現するが手話の写実的表現、空間その他を生かした表現が混じる。
日本手話の影響を受ける。

ラビット 記