字幕付き映画「1枚のハガキ」の聞こえなかった音。

「1枚のハガキ」はバリアフリー上映会で日本語字幕が付いていた。画面の下に表示されていた。
新しい人工内耳でどこまで聞こえるかという関心もあった。

この映画に限らず、作品中の音響は重要な意味を持っている。
森山定造の歌う影を慕いての歌にも後半で友子が歌う影を慕いても歌詞が出た。軍歌にも歌詞が出た。
カラスの鳴いている声、釣り竿に付いた鈴の音も字幕が表示された。
しかし、パンフレットの中の批評によれば、最初の水兵100人が並んでいる天理教本部の外で鳥の鳴き声がしていたという。森山定造が戦死して白箱に入って戻ってきた時も、森山定造の父が農作業中に死んだ時も静かな場面で鳥の鳴き声が聞こえていたという。
夜の兵営でうるさいと言われて静かになった時も虫の鳴き声がしたという。これらは字幕で表示されていなかった。

静かになった場面で流れていた、自然の中の鳥、虫の鳴き声、水の流れる音などそういう情緒的な音は字幕化されていない。
字幕制作者の判断なのか、脚本家なりが判断したのか、制作者の意図を反映してほしかった。

ラビット 記