難聴者の要望を条約案に

全難聴は代表団を派遣するのはこれで3回目だ。
今回は、条約案に「文字の表記」が入っているが、ライブ・アシスタンスとしての支援者に、手話通訳は例示されているが、文字通訳者は含まれていない。これを明示するように、各国政府やマッケイ議長、IDCなどに働きかけることと、サイドイベントを開催することを目的としている。

マッケイ議長は各障害者の個別協議には応じず、IDCの会議などに出てくるくらいだが、何とか会って要望を伝えなくてはと考えていた。18日のサイドイベントの打合せをしていて会場を出るのが最後になってしまったが、なんとロビーにマッケイ議長がいた。
18日のサイドイベントのチラシを見せて、文字通訳とALDの必要性を説明した。マッケイ議長はこの後会議がいくつも控えているらしかったが、手を前に重ねて丁寧に答えてくれた。この要望については知っているが、私に持ってくるよりは他の障害者団体や政府に良く根回しをしてください、障害コーカスなどの理解が必要だとアドバイスをしてくれた。

17日の朝、IDC国際障害コーカスの会議が朝8:30から開かれると聞いて、入場手続きに時間がかかることを想定して、8時にゲートに着いた。そこには、世界ろう連のヨキネン理事長が手話通訳者を伴って立っていた。
昨日会場に入った時、お互いに顔を見て握手をしたが、再び挨拶する。WFDにも文字通訳のことを理解し、支援してもらわなくてはならないので、手話通訳と同じように文字通訳が必要とASLの単語を並べて依頼した。彼は2年前、フィンランド大会で会ったことを覚えていて、理解してくれた。

会場に入ると、IFHOH国際難聴者連盟の前理事長のデュガンさんが来られた。昨日に続いて、話を聞くと、IDCは文字通訳を条約案の修正案として入れることを決めていると。本当ですかと聞くと文章を見せてくれたが7月からIDCの100人を超えるメンバーにメールをして、文字通訳と補聴援助システムのことを何度も要望してきて、最終段階で文字通訳と補聴器援助システムのどちらしか入れられない、どっちを選ぶかということになって、文字通訳を選んで入れたということを説明していただいた。
われわれは、こうした交渉の経過はほとんど知らなかったが、IDCのメンバーであるデュガンさんは私たちの要望を最後まで通してくれたことになる。

会議中も、通りかかったオーストラリアろう者協会や韓国政府代表にも積極的に声をかけて、サイドイベントの参加を呼びかけている。

だんだん、我々の活動も焦点が絞られてきた。明日はIDCの会議の後に、JDF日本障害フォーラムと外務省との意見交換会が開かれる。これに我々も参加することにしている。

ラビット 記