聴覚障害者の運転免許とワイドミラー

HOHrabit2007-05-04


道路交通法の改正法案に付いて、参考人の意見を聞く参議院の内閣委員会の審議は委員の質問レベルは非常に低かった。


参考人の全日本ろうあ連盟の安藤豊喜理事長の過去の聴覚障害者の運転免許を巡る運動の経過や2001年の法改正でろうあ者に運転免許を与えないという欠格条項が削除されたが聴力試験が残ったままで実質的な法改正まで6年間待ったことなどから、実際の運転状況では窓を締め切ったら外界の音が聞こえないこと、車内で音楽やラジオ等を聞いているとなおさらのこと聞こえない状況のある中で聴覚障害者のみ運転免許を与えない合理的な理由がないこと等諄々と説明されたのは名演説だった。


それに引き換え、聞こえない人が運転するのは危険でないかとかワイドミラーは距離感が分からなくなるので逆効果ではないかとか、警視庁の報告書を読んだり、関係者の主張を目にしたことすらないかのような質問が続いた。
ワイドミラーの質問をした議員は安藤理事長から「それは慣れの問題だ」とぴしゃりと言われ、議場からは失笑が漏れたくらいだ。さらに、この議員は参考人にこの法案を◯か×かどちらか家と言う。法案を審議する議員が参考人に是非を聞いてどうする。
すぐに辞任しろと言いたい。安藤理事長ははっきりと◯と答えていたが、ワイドミラーとマークがなければ二重丸だと。さすがにあなたは×だとは言わなかった。


さらに聴覚障害者の傍聴人や手話通訳、要約筆記者などが後ろに30人程もいるのに、その目の前で最初から最後まで本を読んでいた女性議員がいた。委員会の開会間際に秘書に持ってこさせたので、質疑に関する資料かと思っていたら、全く関係のない単行本のようだった。交通遺児の訴えにも安藤理事長の説明にも本から目を離すことがなかった。あまつさえ、審議の途中から資料や本をほったらかしにしていなくなってしまい、閉会まで戻らなかった。


こうした議員によって、私たちの切実な権利が保障される法律が審議されて決められるのだ。


ワイドミラーの装着と聴覚障害者を洗わずマークの表示義務は聴覚障害者にのみ課せられるもので理不尽なものだ。しかし、これを理由に法案を拒否するとさらに改正案が提出されるのに何年も待たされることになる。
委員会室に入る前に、安藤理事長は理不尽な条件も付いているが政治的な判断も含めて自分の責任で意見を述べるので了承して欲しいと言われた。誠実な方だと思う。

議事録がでれば、誰がどういう質問をしたかが一目瞭然だ。恥ずかしくないのか、出直せ。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0101/main.html


ラビット 記