選挙後政党討論番組にも字幕放送を

参議院選挙の開票結果が出た月曜日、テレビ局はそれぞれ、生放送で選挙特番を組んで内容を分析している。

一番早い朝4時半からNHKの「おはよう日本」では字幕放送がなかった。その後8時半からの「参院選列島ドキュメント」にもない。
日本テレビの朝5時20分からの「ズームインSUPER参院選ズーム総力取材」、朝8時からの「スッキリ!!参院選挙」にも字幕はない。同じくTBSの5時半からの「みのもんた朝ズバッ!参院選スペシャル」、フジテレビの「めざましテレビ」、8時からの「とくダネ!参院選」、テレビ朝日の朝4時25分からの「やじうまプラス」、8時からの「スーパーモーニング2時間丸々参院選SP」など、まったく字幕放送は行われていなかった。
テレビ番組表を見る限り、一番早く字幕放送が付いたのは、TBSの朝11時からの「ピンポン」の中のニュースか、11時半からの日本テレビの「NNNニュースD」、フジテレビの「FNNスピーク」だ。NHKは正午のニュースまでない。


夕方は、民放各局は大型ニュース番組を並べているが、日本テレビの「NEWSリアルタイム」、TBSの「イブニング・ファイブ」に字幕放送が付いている。フジテレビの「スーパーニュース」、テレビ朝日の「スーパーJチャンネル」、テレビ東京の「速ホゥ!」にはない。



NHKの首都圏ネットには字幕放送がなく、7時のニュースまではない。各党の党首、書記長クラスが出演した「討論スペシャル」にも字幕放送がないままだ(上2枚の写真)。
NHKは午後9時15分からの「ニュースウオッチ9どうなる今後の政局」に字幕放送が付いた(下2枚の写真)


これは、日本の政治の一大変動期に聴覚障害者は全く情報を得ることが出来ないまま、ということになる。


総務省のデジタル放送研究会「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送のあり方に関する研究会」の報告書にも、生放送番組も字幕放送普及の指針の対象になるように書かれているが、この場合も討論番組は除かれている。不規則な発言が同時に出てくる生放送の字幕放送は難しいとされているからだ。
また、生放送の字幕入力者の養成も追いついていない現状も報告されている。高速入力オペレーターや音声認識技術で発言をそのまま入力するのはいろいろな意味での限界がある。叉、この種の政治的番組は特にそうだが、特定の人しか見られない字幕放送とは言え、間違った字幕が放送されてしまった場合は訂正放送の義務があることも、放送事業者を萎縮させてしまっている。



ラビット 記