人工内耳は補聴器の効果がない人?



ちょっとお尋ねします。人工内耳が出来る条件の中に『補聴器でも効果が得ら
れない人』となってますが…ラビットさんは人工内耳と補聴器を併用されてる
んですよね? 単純に『なんで?』と思ってるんですが…。
Posted by あゆあゆ☆ at 2008年01月16日 10:42


あゆあゆ☆さん、良い質問をありがとうございます。


人工内耳の適応基準は両耳90dB以上の聴力損失と「補聴器でも効果が得られ
ない」が適応の条件になっています。
この「効果」ですが、私は補聴器をして音が聞こえるかどうかではなく、会話が出来ないなら効果がないということだと思います。


感音性難聴の場合、補聴器で聞こえるようになるのはやはり限界があります。
私の場合、右耳は補聴器で聞いていますが、1000ヘルツで100dB、2000ヘルツ上は110dB以上ですので会話域の音が入ってきません。
長年の経験で文章の理解率は80%を越えていますが、聴力検査室での数値です
し、職場や日常生活の場では周囲がうるさいのでそんなに聞こえません。


左耳はほぼ右耳と同じ聴力で、オージオグラムでも同じ形の高音失墜型の難聴です。これまで補聴器をしてこなかったのですが、人工内耳の装用の前に聴覚に刺激を与えるという目的で補聴器をしていました。2週間くらいの装用のあとの検査結果は46%でした。


もう少し、補聴器をしていればもっとよく聞こえるようになったかも知れませんが、補聴器の限界はありますし、加齢とともに聴力が低下してくるので人工内耳を希望しました。



欧米では、補聴器と人工内耳の併用が多く、両耳が人工内耳と人工内耳も増えているそうです。
例えば、大阪大学医学部でも、両耳装用の研究がされています。
両耳装用(補聴器/人工内耳、BAHA/補聴器、人工内耳/人工内耳)による方向感、雑音下言語聴取能の研究
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/ent/r_neurotology.html


日常生活で、会話が困難ならば補聴器と人工内耳の併用の検討をされても良い
と思います。
http://www.okinawa.med.or.jp/old/ippan/kenkou/010804.htm


アメリカでは同じ耳に人工内耳と補聴器をする「ハイブリッド人工内耳」の手術も始まっています。
私自身は併用のチャレンジ中です。人工内耳と補聴器の聞こえのバランスに苦労しています。人工内耳の聞えの感度がどんどん日々高まるからです。


耳鼻科医と良くご相談されると良いと思います。
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6410687.html


ラビット 記
写真は、辻堂東海岸の犬のトレーニング施設と犬のトリマーや一緒に入れるカフェ