聴覚障害者の参政権 権利条約から

聴覚障害者の参政権を、障害者権利条約から検討することは有意義だと思う。

権利条約の条文構成を見ていて感じたことは、
1)政治的活動及び公的活動への参加はこれ単独では実現しない。コミュニケーションや文化的その他の権利が守られて、初めて障害者の参政権が具体的なものとなるからだ。
さらに、普通の文化的で健康的な生活、就労、教育等が実現出来る中で、障害者の自覚が具体的なものになる。

2)障害者が普通の人と同じ権利を持っていること、働くこと、教育を受けること、生活することの権利が守られるように要求していく、政治に関わる権利はその延長線上にある。自分たちの権利をどのように発展させるのか、どのような施策を作るのか、障害者が政治に関わることがその一番の保障だということだ。


外務省の障害者の権利条約に関するページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/index_shogaisha.html
第4回アドホック委員会に、国会議員5名を含めて日本代表団が参加したが、この時に「市民的・政治的権利と経済的・社会的・文化的権利の整理(第4条関
係)」を協議している。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinken/shogaisha0409_g.html

ラビット 記

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第二十九条 政治的及び公的活動への参加
(政府訳 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/shomei_32b.html)

 締約国は、障害者に対して政治的権利を保障し、及び他の者と平等にこの権利を享受する機会を保障するものとし、次のことを約束する。
(a) 特に次のことを行うことにより、障害者が、直接に、又は自由に選んだ代表者を通じて、他の者と平等に政治的及び公的活動に効果的かつ完全に参加
することができること(障害者が投票し、及び選挙される権利及び機会を含む。)を確保すること。
 (i) 投票の手続、設備及び資料が適当であり、利用可能であり、並びにその理解及び使用が容易であることを確保すること。
 (ii) 適当な場合には技術支援及び新たな技術の使用を容易にすることにより、障害者が、選挙及び国民投票において脅迫を受けることなく秘密投票に
よって投票する権利並びに選挙に立候補する権利並びに政府のあらゆる段階において効果的に在職し、及びあらゆる公務を遂行する権利を保護すること。
 (iii) 選挙人としての障害者の意思の自由な表明を保障すること。このため、必要な場合には、障害者の要請に応じて当該障害者が選択する者が投票
の際に援助することを認めること。

(b) 障害者が、差別なしに、かつ、他の者と平等に政治に効果的かつ完全に参加することができる環境を積極的に促進し、及び政治への障害者の参加を奨
励すること。政治への参加には、次のことを含む。
 (i) 国の公的及び政治的活動に関係のある非政府機関及び非政府団体に参加し、並びに政党の活動及び運営に参加すること。
 (ii) 国際、国内、地域及び地方の各段階において障害者を代表するための組織を結成し、並びにこれに参加すること。