イージス艦「あたご」と視聴覚障害者  

連日、イージス艦「あたご」の事故の報道が続いている。

事故の原因究明には「あたご」がいつ漁船を発見したか、位置関係の時間軸と位置座標がポイントだ。
そのため、テレビではCGや模型も駆使して図解することが。これはテレビを見ている視覚障害者にはバリアーになる。
局内では「これ」や「こっち」などの指示語を使わないように啓発しているとのことだが。


一方、ニュースも朝やローカルニュースには字幕放送がない。
画面には注目される発言がテロップで表示されるがその前後のコメントやアナウンサーの声は分からない。

例えば、防衛省の公表した発見時刻の違いの映像がそれぞれテロップ付きで出されるが違っていることが問題になっているというような発言はテロップにならない。

これでは、聞こえない人にニュースを伝えたことにならない。
局内では二重の手間という声があるそうだが字幕の意味を考えて欲しい。


字幕も万能ではない。ニュースのように映像があり、テロップがあるなかで字数の多い字幕は読みきれないし、視覚言語の手話が母語のろう者には読みこなすことが困難だ。


放送事業者がなぜこういう理解になるのかというと視聴覚障害者と接点がないまま番組制作を進めたり、コスト削減を障害者の放送アクセス保障にしわ寄せするからだ。視聴者不在ではないか。


ラビット 記