国際難聴者会議の報告者のお願い


Pさん。
今晩は。指導者養成講習会以後、ご無沙汰しています。お元気ですか。

先日、国際部の会議が開かれ、国際難聴者会議のワークショップの準備が議題になりました。
私の方から部長に、参加したいといっておられたPさんを発表者に推薦しました。
日本の中途失聴・難聴者の就労問題を報告するのは、年齢層別にしたいと思っています。一人は主に制度の説明を、もう一人は実際に必要なサポートなどを話す、Pさんにはご自分のあるいは若い人たちの就労の問題を報告してほしいと思っています。

先進国である日本が、聴覚障害者の就労サポートではまったく後進国であることを報告すれば大きな反響を呼ぶでしょうし、
欧米といえどもまだまだ難聴者に対する施策は十分でないはずです。

国連の障害者の権利条約の批准もあり、日本政府もどのような施策を出すか検討しているところですから、我が国の難聴者等の就労の実態を報告することは大きな意義があります。

いま日本ではワーキングプアが大問題になり非正規雇用労働者が正社員になったり名ばかり管理職の残業代の支払いが国会でも取りあげられています。
私はこのワーキングプアの人たちの中に中途失聴・難聴者が相当いるのではないか、彼らは正社員になれるのだろうか、難聴を理由に採用拒否の差別を受けたり自ら諦めていないかと危惧しています。

また今は会社で雇用されていても、不十分な対応を理由に会議に要約筆記の派遣を認めない、会議そのものに出席させない、ちょっとした聞き違いにも声を荒げて叱責する、きちんとしたサポートなしに昇格させない、昇給を遅らせるといった差別、パワーハラスメントが日常的に行われているのではないかと思います。

今年になって、難聴の自治体の公務員が、幾ら説明しても電話を取らないのは努力する意思が足りないと電話を強要される、皆が行く選挙実務の応援から外される、後ろを歩く度に椅子を蹴とばす、手話通訳団体の役員もしていた上司が手話もろくにしない、筆談もしない、異動になっても引き継ぎもしないという驚くべき差別、人権
侵害を受けている方に会いました。
国連障害者の十年から27年、障害者権利条約が批准の準備がされている現代に大都会のど真ん中で信じられないことが起きています。

「耳のことで悩まないで!」にも、たくさんの差別を受けている体験が載っていましたね。
ネットワークで若い難聴青年の声を集めて、告発することが必要です。

ぜひご報告を引き受けてくださるように、お願いします。

発表は日本語でかまいませんし、質問等は日本語字幕で出るようにします。また、経済的にも大変だと思いますが報告者には若干参加費の補助が出ることになっています。

まだ若いうちに海外の様子を見聞することは大きな財産になります。
私も20代で初めてストックホルムで開かれた第二回国際難聴者会議に参加して以来、視野が大きく広がりました。

報告内容については、報告者、国際部、その他の関係者と一緒にメールで報告内容をお互いに意見を出し合って内容を固めていきたいと思います。


ラビット 記