初めてのスクーリングの要約筆記

雨の中、会場となる大学に急ぐ。新しい校舎だ。会場に入ると500人は入るかという階段教室。

受付に受講証を出すと私の名前を見て、最前列に案内される。前から2列目にする。要約筆記者が入れ替わるスペースはないので、左右に要約筆記者が座るよ うにした。

いろいろ「配慮」をしてもらった方が来られたので御礼を言って、ワイヤレスマイクを使ってもらいたいと言うと、即座に事前に連絡を頂いていないので今回は要約筆記だけでお願いしたいと断られる。確かに事前に連絡していなかったが、講師の先生に伺いもせずに断られるとは思っていなかった。
ほぼ会場一杯の 学生の注視を浴びながら、いやこれがあるとよく聞こえるんですと食い下がる。声が大きいので要約筆記とか補聴システムとか皆に聞こえたに違いない。

要約筆記者は来ているのかと聞かれるので入り口にいると思うと言って移動する。
こちらは私との話を書いて伝えてくれる要約筆記者ですと言うが、要約筆記者に名刺を渡そうとする。一人は断ったがもう一人は受け取ってしまった。講義が終わった後名刺をおいて行くかと思ったら持って帰った。要約筆記者はこういうことをすることが利用者の主体性を奪うことになることに気が付いていない。

会場のワイヤレスマイクが受信出来るかもしれないのでテストをすることにした。また最前列で聞こえる聞こえない、補聴器に直接受信するのでハウリングはしないとか説明した。担当とは要約筆記者が書いているのを見ながらやり取りする。これでもう今回の同級生に、難聴の中年の男がいることがバレバレになった。

最初の講義は、ルーテル大学学長の市川先生だ。マイクは聞こえるかと聞いたもらった。OKだ。社会福祉は地域のインフォーマルな力を引き出すことだ、「いきいきサロン」が今ブームだ、高齢者、児童、障害者と分野別ではなく、住民の視点で横断的にとらえる必要があるとか、一気に1時間半の講義が終わった。

要約筆記を見ながら、自分のノートに要点を書く。「介護」の文字が多いので、「介」に丸で囲んだ略字を決めた。もう少し大きい字で、こちらに寄って下さいとか指示する。もう一人の方は笑顔の連続だが普通の顔でいて下さいと言おうとしたが言えなかった。笑みで対応されるとこちらはボランティアを受けている感じになって、サービスを利用しているという立場が消えてしまう。きりりとしていて欲しい。

その後もいろいろあったが、最後に市からの業務時間確認書にサインをして初日は終わった。


ラビット 記