難聴者の聞こえない社会の音(海外編)「音姫」

バンクーバーで再会したハワイの風さんから、比較文化論?が届いた。
タイトルをどうするか思案の上、上記にした。


ラビット 記

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女性トイレ比較文化考 ハワイの風

バンクーバーの国際難聴者会議では、久しぶりに日本の難聴友人と再会した。

ある晩、ホテルの部屋で私を含めた難聴女性4人が集まった。いろいろ話題が出る中、最も盛り上がったのが女性公衆トイレ。
一番若い大学生のKさんは、なぜ"音姫#ボタンがあるのかしばらくわからなかったという。一同思い当たることしきり。
難聴者の多くは自分の「している」音が聞こえない。私は普段騒々しいところでは補聴器がたまらなくうるさく感じるので、オフにすることが多い。水洗トイ レの音やハンドドライヤーの音がたまらないので、公衆トイレではほとんど聾者になる。が、ある日、たまたま補聴器をオンにしたままトイレで「して」みたとき、自分のその音のすごさに驚いた。そうか、こんなすごい音だから、健聴者は聞かれるのが恥ずかしいのか。
"音姫#が出現する前は、若い女性の多くが"二度流し#をしていた。一回目は消音のため、二回目が本当の水洗。"音姫#は節水しながら「して」いる音を かき消す有能な解決策だと感心。

以来、日本では「音姫」愛用の私だ。が、知らない人ばかりの公衆トイレでは実はどうでもいいと思うこともある。「音姫」も使わなければ、電気代も節約で きるのに。。。(まあ、本当はそこまでエコにこだわっているわけじゃないが)。
たぶん普段はアメリカに住んでいるからかも知れない。10年以上いろいろな場所に住んだが、アメリカでは「音姫」も見なければ"二度流し#の音も聞かなかった。ためしに補聴器をつけて何度か公衆トイレに入ってみたが、やはり誰も"している#音など気にしていない様子。堂々と「して」いる。ううむ。ところ変わればトイレ作法変わる、なのだ。
(続く)