人工内耳する人の主体性
先週の土曜日の人工内耳に関するフォーラムで会った人に「最近どう?聞こえの方は?」と聞かれた。
一人には、「うん、まあまあだね」と答えたが、もう一人には思わず、「それは聞かないで。人はそれぞれなんだから。順調に聞こえるようになっているなら良いがそうでない場合その人にプレッシャーを与えることになる。簡単に聞かないでほしい」と言ってしまった。
何で違う受け答えをしたのか、考えてみた。
最初の問いかけた人は挨拶だった。挨拶して近づかずに離れていった。もう一人は、言ってから近づいてきた。
前にも感じていたのだが自分の内面に踏み込まれそうに感じたので拒否してしまった。
人工内耳をした人はその結果や療後はまちまちだ。日々の生活の中で苦悩している人も少なくないだろう。術後間もない人はなおさらだ。
医師もSTも、患者がどのような心理状況にあって、何を求めているかは十分知らない。常時、患者に向き合っているわけでもなく、診察時もそう時間はない。
心理的サポートをするのは専門家と思う。アメリカでも長い就学期間と訓練、試験を経て、サイコセラピストになる。
オージオロジストがサイコセラピーを兼ねるようになってきたのも最近のことだという。
メーカーが人工内耳「啓発」アドバイザーを養成しているところもあるがそのプログラムはどうなっているのだろう。どういう役割を与えているのか。
医師とSTの連携が出来るのか。倫理基準を持っているのか。
「啓発」の役割と患者への対応とはきちんと区別されないと患者を傷つけることにならないだろうか。
必要なのは医療と福祉の領域で活動するメディカル・ソーシャルワーカー、心理療法士ではないのか。
精神的な側面を持つ問題は、十分に慎重に対処が必要だ。
自分でも同僚に職場で就業復帰のトレーニングをしているが専門家の助言もない中で不安が多い。
ラビット 記