人工内耳の話 東京都聴覚障害者コミュニケーション教室

榎本千江子先生
人工内耳のリハビリとは
脳の中にある音の記憶に人工内耳の聞こえる音をすりあわせること。

【1】文字を見ながら聞き取りをすると言葉の予測が出来る。
文字を見ながら読んでもらう。朗読のCDがリハビリになる。
予測できると聞き取りやすいのは英語でも同じ。

【2】音読をする。
自分の声を聞くのはスピードが調整できる。

【3】NHKのニュースを聞く。
字幕付き。アナウンサーの声、口型、背景雑音がない。
スピードの調整が出来ないのが難点だが。

『リハビリのポイント』
いつでもどこでも聞き取りの練習は出来るが。
(1)友人の会話など聞き取れなくても問題が少ないように。
(2)一度聞き取れなくても何度も挑戦。
(3)聞き取りやすい環境を作る。
ゆっくり話して下さいとか、マスクを外して下さいとか頼むこと。

人工内耳で100%聞こえるわけではない。
【例】あるOLの体験:筆談無しで話が出来た、昨日は聞こえなかった
 →同僚の人工内耳で聞こえるようになったはずなのに

 聞こえは会話環境に影響する。
     聞きやすい 聞きにくい
 人数:  一人    複数
 環境:  静か    うるさい
 口型:  ある    見えない
 
 補聴援助システム、要約筆記の利用も効果的。

・人工内耳は聞こえの改善を目指す機器
・音として小さな音は聞こえるが必ずしも言葉として聞こえるわけではない。
・言葉の聞き取りにはリハビリが必要。
・人工内耳の効果は個人差が大きい。
・会話環境の影響が大きい。
・聞き取りやすい環境に補聴援助システムや要約筆記も必要。