勤務先近くの緑の道

来年の国際難聴者会議の報告の締め切りが迫っている。東日本大震災で被災した難聴者と復興の現状を報告するとともに、難聴者の置かれた社会環境がその被害を大きくし、復興を妨げていることを報告したい。

幾つかの特徴的な事実を挙げておきたい。
○難聴者協会の会員は岩手、宮城、福島、青森、茨城
など会員で亡くなった方はいない。

○難聴者の死亡者は複数いることは分かっている。
警察発表の死亡者の身につけていたものに補聴器が散見される。

○しかし、大多数の難聴者の安否確認は行われていない。身体障害者手帳を有する難聴者だけで1万人を越えない難聴者の安否確認、所在を行政すらしていない。

○協会の会員だけに限っても、沿岸部などは避難所生活を余儀なくされる会員も親戚、知人が亡くなったり、住居の浸水、流失などの被害を受けた人がほとんどだ。

○被災した難聴者はいつも集会所が流出し、要約筆記のOHPやスクリーンも磁気ループもなく、集うことすら出来ない。
家族の中でも地域の中でも会話が不十分な難聴者は、被災した経験や家族や仲間の安否についても話すことが出来ずに、胸の内にいろいろなものがたまったままだ。

○難聴者施策の貧困が復興を遅らせている。

○大震災後頻繁に起きた
地震発生時の臨時ニュースに字幕放送は付かなかった。



ラビット 記
※ちょっと早めに退社して駅まで来ると普段は閉まっている門が開いて道が出来ていた。