障害者基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

平成二十三年七月二十八日
参議院内閣委員会
障害者基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点について適切な措置をすべきである。
一、国および地方公共団体は、視覚障害者、聴覚障害者その他の意思疎通に困難がある障害者に対して、その者にとって最も適当な言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段の習得を図るために必要な施策を講ずること。
二、国および地方公共団体は、子どもの発達に対して、障害の有無に関わらず、将来の自立に向けて個の特性に応じた一貫した支援がなされるべきものであるとの観点から、障害に気づいてから就労にいたるまでの一貫した支援を可能とする体制整備を行うこと。
三、国及び地方公共団体は、発達障害児について、将来の自立と社会参加のため、特性や能力に応じた中等・高等教育を受けられるよう、必要な環境の整備を行うこと。
四、国及び地方公共団体は、障害原因の軽減や根本治癒についての再生医療に関する研究開発を推進するとともに、障害者が再生医療を受ける機会を確保するために必要な措置を講ずること。
五、国は、地方公共団体が実施する障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策ならびに民間の団体が障害者の自立及び社会参加の支援等に関して行う活動を支援するため。情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
六、国は、この法律による改正後の障害者基本法の施行の状況等を勘案し、救済の仕組みを含む障害を理由とする差別の禁止に関する制度、障害者に係る情報コミュニケーションに関する制度及び難病対策に関する制度について検討を加え、その結果に基づいて、法制の整備その他必要な措置を講ずること。
七、国は、東日本大震災による障害者に係る被害の実態等を踏まえ、災害その他非常の事態の場合において障害者の生命又は身体の安全の確保が図られるよう、障害者に対する支援体制の在り方について、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
八、障害者政策委員会の委員の人選に当たっては、障害者政策を幅広い国民の理解を得ながら進めていくという観点から、広く国民各層の声を障害者施策に反映できるよう、公平・中立を旨とすること。
右決議する。