台風15号と人工内耳(3)

ちょうど台風15号が通過中に退社して駅に向かった。

ポンチョは失敗だった。レインコートタイプの方が風にめくれなくて済む。傘をすぼませながらポンチョの端を押さえて前屈みに歩く。
ポンチョがめくれ、傘が飛びそうになる。あっ、聞こえない。耳に手をやると人工内耳がない。傘の骨に磁石がついてはずれたのだ。
あわてて傘を見るとない。めくれたポンチョに引っかかっていた。地面に落ちると水浸しだ。危うくつかんでポケットにしまう。

雨に濡れるは、何も聞こえないは、まくれたポンチョで何も見えないはで駅に向かって歩く。

駅に着くと、規定値を越えたので運転を見合わせているとある。構内の階段には何人も座り込んでいる。
あちゃ。

ラビット 記