総合支援法案の意思疎通支援事業??

国会では連日、障害者自立支援法廃止、総合福祉法実現の抗議行動が繰り広げられている。
批判の的になっている厚労省の総合支援法案の民自公

三党修正案には、総合支援法案(修正案)比較表で、
第77条に市町村の地域生活支援事業として、
 「意思疎通支援を行う者を養成する事業」が必須事業となっている。
第78条で、都道府県の同事業として
 「・・・特に専門性の高い意思疎支援を行うものを養成し又は派遣する事業、意思疎通を行う者の派遣に関わる市町村相互の連絡調整その他の広域的な対応が必要な事業として厚生労働省令で定める事業を行うものとする」と必須事業になっている。

(1)都道府県が市町村派遣の連絡、調整を広域的に行うということは「連絡・調整」だけで、市町村事業の実施のままで都道府県として派遣事業はしないのは問題だ。
「連絡・調整」を派遣制度がバラバラのまま、個々に調整しても格差は是正されず、広域派遣が出来ないケースが続出する。
これは、都道府県事業として、広域派遣事業を実施させる必要がある。
これは、さらに県間広域派遣事業にも拡大すべきだ。

(2)意思疎通支援事業という名称は、障害者基本法で意思疎通の仲介をするものの養成・派遣事業は国の事業とされたこと関係しているが、他の障害者につられて、要約筆記事業の通訳事業であることの変質にならないかも気になる。

(3)市町村の意思疎通を支援する事業に「要約筆記奉仕員事業」は入らないということをどう理解させるかだ。

文字によって意思疎通を支援する事業は「要約筆記者養成・派遣事業」だが、要約筆記奉仕員養成事業でなく、要約筆記者養成事業に一元化された。
要約筆記者派遣事業で派遣される要約筆記奉仕員は、「者」に転換された方々だ。
そもそも要約筆記奉仕員事業は社会参加促進事業のその他事業で派遣がない。
ここを市町村や都道府県にきちんと理解させなくてはならない。

要約筆記奉仕員事業を難聴者理解の啓発事業とするモデルを示す時期でないか。

(4)また、意思疎通事業に限らず、支援法全体で政令指定都市都道府県事業と同等の位置づけなくてはならない。
政令指定都市はその人口規模からも財政規模からも都道府県と対等だ。

(5)しかし、総合福祉法骨格提言では聴覚障害の定義、範囲の見直し、障害程度区分を廃止し利用者のニーズに合わせたサービスの提供、コミュニケーション支援事業の全国共通の事業化、無償化を求めているが、これは修正案には含まれていない。
当事者抜きに決めたからだ。

ラビット 記