すべての人にやさしい放送の視点は何か?

ITUワークショップが終わった。
NHKがITU国際通信連合のアクセシビリティグループと共催した「すべての人のためのテレビにーアイデアから実現にー」というテーマで開かれたものだ。

地デジはアクセシブルと喧伝されていたのに実はアクセシブルではないということが判明したが、多くの国民どころか、地デジ推進の関係者も知らない。
数年前の情報通信審議会で、障害者団体がその実例を例を挙げて説明したが、座長を含めて居並ぶ委員皆が驚きを隠さなかった。

それは今でも変わらない。

NHKがアクセシブルな放送を目指していること、その決意はこのワークショップを共催したことでも分かるが、技術の範囲にとどまる。
その技術をどのように実際の場に投入するのか、受信機の規格は変えないのか、新しい機能を持つテレビが販売されるなら障害者はまた購入しなければならないのか。
地デジ移行で数千万台のテレビが新しくなったばかりだ。

アクセシブルな放送をすることは「コスト」ではないと強調したのに、他のスピーカーはコストがかかるという。
基本的人権に関わる問題、生命・安全に関わる経費はコストとは言わない。

「すべての人のための放送」の視点が「人権」から目をそらそうとしていないか。

ラビット 記