通訳対応パソコン要約筆記用ソフトの開発

要約筆記が「要約筆記者」事業として実施されるに当たり、パソコン要約筆記も、「通訳」として活動することが求められる。
要約筆記者養成カリキュラムの通訳課程は報告書で発表されているが、パソコン要約筆記のカリキュラムは全難聴の18年度事業としてこれから検討されるだろう。

パソコン要約筆記で一番利用されているソフトは、アイピートークIPtalkだが通訳対応版の開発が検討されているという。
通訳としてパソコン要約筆記をするにはまず入力する人が、「通訳」するという意味を理解していなければならない。そういう意味では、「人」の問題だ。しかし、「ソフト」の方で対応できることがあるのではないかと検討し始めている。

現在の連携入力による方式は、その方式上、聞いたまま入力する。この方が、ある意味で入力者には楽な方法だ。一定の入力スピードや連携するメンバーを増やし、連携が上手くいけば、聞いたまま入力して、要約するプロセスがいらないからだ。これには、話しているのに文字が表示されていないと利用者に不安が生じるとされて、出来るだけ空白の時間を作らないように続けて入力していたということも一因だ。

パソコン要約筆記は、要約筆記者が聞いた言葉を要約して頭の中にその文章、漢字を思い浮かべても、キー入力する際に再度頭でその文章をなぞり、誤変換が生じると思考が中断し、再度要約〜文章化のプロセスを経ることになるので、手書きより負担が大きいと考えられるという。
パソコンの方が入力速度が速く文字数も多く出力されるが、思考から文字化のプロセスが二重化するというのは気が付かなかった。

表示された文字列が読んで理解できる意味の通る文章で、読む時間も確保される必要がある。
パソコン要約筆記の通訳課程カリキュラムの検討と対応ソフトの開発があいまって進むことが期待される。

ラビット 記