要約筆記者の倫理綱領と権利擁護の意味

前に、「『ソーシャルワーカーの倫理綱領』改定案」の構築の理論と実際について、紹介したが、
http://www.jassw.jp/17th_apswc/PDF/sessionC/CJ_11_1_miyajima_jun_and_others.pdf
これは2000年の社会福祉法改正を受け、社団法人日本社会福祉士会、日本ソーシャルワーカー協会、社団法人日本医療社会事業協会が合同で、時代の変化、世界の動向を踏まえた倫理綱領を検討してきた経過やその考え方が示されている。


秋の花要約筆記者の倫理綱領は、要約筆記が聴覚障害者、とりわけ手話でコミュニケーションが出来ない難聴者等に対するコミュニケーション支援の方法であり、要約筆記者は彼らの権利保障の担い手であることが明確に意識される中で、検討されなくてはならない。
要約筆記者はその職能をコミュニケーション支援と聴覚障害者の一般的な支援、理解とを区分しなければ、専門性を追求し、権利を擁護することが出来ない。
要約筆記は、聴覚障害者、中でも手話によってコミュニケーションの支援が得られない人々の権利の保障を文字を使って通訳することで行うことである。
要約筆記者は聴覚障害者が聞こえないために不当な差別を受けていることを認識し、自らの権利擁護の役割を自覚していなければならない。
要約筆記者は権利擁護のために要約筆記を行うと同時に、権利擁護の視点で対象者および環境を観察し、その問題を専門的に解決するための方策を理解していなければならない。

要約筆記者の倫理綱領は、障害者自立支援法で要約筆記者が市町村の必須事業として派遣されるようになることから、その役割を深く考えて検討される必要がある。当事者も含めて、手話通訳関係者、登録された要約筆記者、社会福祉士の人々と共同作業になるだろう。

ラビット 記