新しいタイプのろう者、難聴者

筑波技術大学大沼直紀学長が、「これからの聴覚活用を考える〜早期より聴覚を活用した重度聴覚障害者本人と両親への実態調査から〜」を別掲のトライアングル文庫10で報告している(P151〜P161)。
これは教育オージオロジストとしての観点から、補聴器装用の意義を再確認したものだ。

この中で、聴覚と視覚の併用する新しいろう者、難聴者の出現を期待を込めて紹介している。

聴覚と視覚の併用は前からしていたと思うが、補聴器の発達で音情報を取得したり、手話を使う難聴者は増えている。バイカルチャーのような聴覚障害者は確かに「新しい」聴覚障害者かもしれない。

それはさておき、こうした新しい聴覚障害者に必要のは、大沼先生の提唱する
?より良く音や音声か聞こえるような障害補償
?より良く話しコミュニケーションできるようになるための障害補償
?たとえ聞こえなくても話せなくても、伝わる代わりの言語手段による情報保障
?たとえ聞こえなくても話せなくても、伝わる代わりの機器による情報保障
?聞こえない・話せない障害(者を理解できる社会への啓発)
(同報告、P157)
に加えて、権利意識の獲得と制度の利用と創出が必要だ。

聴覚補償、情報保障の環境の整備は周囲の理解だけでは進まない。
社会やあるいは政治の場にも働きかけないと自分たちの権利は守れない。

子供には子供の権利条約憲法を教えるように、聴覚障害にも障害者権利条約や憲法を学ぶ(教える)必要があるだろう 
政治家や起業家になることも出来るのだ

ラビット 記