難聴者の聞こえない社会の音(10)

通勤途上に逆さまにかけられた看板がある。
ずーっと、業者が急いでかけたので逆さまになったのだろうと思っていたが、最近近くにもう一枚発見したので、違う理由に思い当たった。

それは、看板の字を読めない人がかけたのではないかということだ。外国人労働者かもしれない。本人はちゃんと仕事をしたと思っているのだろう。


我々難聴者も似たようなことはたくさんある。
人名、地名の漢字の読みを間違えて思い込んでいたとか。
「○○美」という社名を「○○ビ」と言っていたら「○○ミ」ということもついこの間聞いたばかりだ。「ビ」と「ミ」は唇の動きがほとんど変わらないからだ。


今日付け変えられた会社の警備のシステムは警備状態を「しゃべる」。
何か言っているらしいがわからずお手上げだ。

本人は正しいと思っていることが間違っていることが続けば何ごとも自信が持てない。
こうしたコミュニケーション不全感を難聴者は持っていることも理解してほしい。


ラビット 記