人工内耳で何を改善するのか 積極的な意味を見いだす過程

2回目の通院は、言語療法士STの人工内耳に関する説明を受けるということだった。


朝一番に市役所で障害者医療証の発行をしてもらい、急いで病院に着いて、待っていると部屋の前でドアが開いた。STの先生がどうしようと言っていると要約筆記者が書く。どうも、時間を間違えたようだ。


電車の中で、今日聞こうと思っていることをまとめておいた。
1)人工内耳の適応のチェックのための、語音明瞭度の検査が左が0%、右が15%と言われたが、ヘッドホンの音量も十分ではない状態での検査でそれがどのくらいの意味があるのか。


2)左耳は補聴器をしていないので、両耳装用した経験がないが、それでも人工内耳をした方が良いという判断になるのかどうか。いま使用している補聴器と違うメーカー、違う補聴器を両耳にして調整した場合、どこまで聞えるのか確認したい。


3)ABRの検査の目的や結果をもう少し詳しく聞きたい。
ABRは覚醒した状態で耳から音を出して、聴神経の先にある脳幹がどのような反応を示したのかを見るためのものだと説明があった。その結果は良くなかったということだ、詳しくは次回ドクターから聞いて欲しいと。


4)補聴器と人工内耳を両方装用することを考えているがどのような「リハビリ」になるのか。補聴器と人工内耳と独立して調整するのか。
人工内耳と補聴器を併用するための調整のノウハウはあるのかどうかを確認したかった。以前の女子高校生の話だと別々に調整を受けて、自分でバランスを調整している感じだった。


5)人工内耳で、何が聞えるようになるのか。
これは、自分自身が人工内耳にどのような効果を求めるのかという意味で聞いた。生活のQOLを高めるためなら、生活は就労中も含めて、どういう状態なのか把握して、何が不満でどうしたいのかという目標は何なのか、整理する必要がある。
就労中のコミュニケーションの改善が一番の問題だが、今後のライフスタイル、人生設計とも関係がある。


いろいろ、説明を聞いてみたが、良く調整をした補聴器をした聞き取り検査もするし、人工内耳の手術が適当と最終的に判断するまでにはまだ多くの検査を受けなければならないということだった。


補聴器の装用も、病院には行っている3社の販売店が交代で担当するとのことだが、「販売」を離れて「治療」のためにどこまでフィッティングに務めてくれるのかあってみないと不安感は拭えない。


最初の診察で、年々聴力が落ちており、補聴器の聞き取りは限界を感じているので、定年まで4年、来春の機構改革、人事異動まで半年、どうせなら早く手術をして、適応した方が良いのではないかという話をドクターにしたので、それならと手術の日程まで決まっている。


本来なら、もっと丁寧に詳しく説明がされるべきで、それをドクターが行うのか、STが行うのか、医療ソーシャルワーカーMSWが行うのか、役割分担が出来ているのかを考えていた。
この病院では、STの先生がこれまで思っていた疑問に答えてくれたが、医師と違う立場で説明する存在は重要だ。


ラビット 記