人工内耳に積極的な意味を見いだす過程(2)


人工内耳で何を改善するのか 積極的な意味を見いだす過程
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/6072406.html

この記事を書いてからちょうど3ヶ月経過した今日は11月19日。
上記の記事の質問の結果を記しておこう。

1)裸耳の聴力検査の意味は余りないのではという指摘は理解され、その後補聴器を両方装用した場合、片方ずつ装用した場合の試験を純音の他、単語、文章
等何度も検査を行った。
その過程で、左耳の語音弁別率が文章で48%であること、両耳補聴器装用で4000Hz域がほとんど聞こえていないことなどが分かった。

2)100dB以上の聴力損失のある場合の補聴器の限界があること、聴力が低下しつつあること、片方を人工内耳にすることで今補聴器をしている右耳の負担を減らすことが出来るという説明があった。

3)ABRの検査の結果は、聴神経が反応しているということだった。医師の説明でも簡単で、余り重きを置いていないようだった。


4)人工内耳と補聴器の両耳で補聴することは今は世界的な趨勢とのことだ。ただ、リハビリテーションの方法についてはまだ模索状態とのこと。
人工内耳の調整をまず行い、これがある程度落ち着いてから、右耳の補聴器の更新、調整を検討する方針と聞いた。

5)人工内耳により、改善を一番希望するのは、数人から10人程度会議や騒音化での会話、様々な会話のシーンだ。
新しい人工内耳の機種でもあり、自分のような難聴者に対するマッピングは初めてでこれからの調整になる。当事者の自分の意欲が鍵になるとのことだ。

以上を了解して、人工内耳の埋め込み手術に至った訳だが、これらの説明を受けるには、難聴者側に聴覚と言葉の認識に対する一定の知識が必要だ。さらに難聴者のアイデンティティの確立を考えるならば、ろう者とろう文化の理解も必要だ。

これらを誰からどのようにどれだけ受けるべきかについては、難聴者の生活と文化様式に対する考えがまちまちであるので、いろいろなプログラムが検討されるべきだろう。
ただ、患者に対する説明の責任は医師とSTが持っている。


難聴者組織でも、人工内耳装用者が増えていること、全ての障害者の権利を守る障害者権利条約を政府が承認したので、様々な角度からの考察が必要な時期に来ていることは間違いない。

まだ音を入れていないので、その後の考えについては何も言えない。


ラビット 記