「日本映画を楽しみたい・・」の放送



昨夜のフジテレビの「日本映画を見たい」の録画を早朝に見た。


最初に、映画「バベル」のろう者を演じるシーンのコーディネートを頼まれた南るかさんが、映画に出演したろう者たちが字幕のない映画を見てあげた不満を形のある運動にリードしていったことが紹介されている。

運難聴者運動に関わる立場では大変共感して見ていた。


「バベル」に字幕が付いた後、字幕付与の義務化を図る運動の進め方に相談を受けた。
字幕放送拡充の運動と似ている面もそうでない面もある。
映像コンテンツの音声を字幕で補うのは同じだが、字幕放送は見たい人だけ字幕を表示する仕組みがあり、放送法第4条で放送事業者に努力義務が規定されており、字幕制作補助金の予算化の法的根拠がある。
映画の場合にはこの法的根拠がない。必要な人だけ映画の字幕を見る仕組みはアメリカにはあるが日本には一般にはない。


そこで、運動の進め方として、全難聴、全日本ろうあ連盟と共同で取り組むことと、経済産業省に働きかけることを提案した。
要望の内容として、字幕制作のためのガイドラインを業界関係者を含めて作成する(国の補助か委託事業で実施)、字幕制作補助金制度の創設、字幕付与の法制化を挙げた。

「バベル」の時の署名運動は対象は法制化なら国会だが、映画制作者団体になる。これは多くの団体の協力を得て進めるのとタイミングが必要だ。


また既存の映画、DVDの字幕を考えると文部科学省文化庁が対象になるがこれは昨年から、障害者放送協議会著作権委員会が文化庁著作権化と協議を重ね、著作権委員会から「中間まとめ」が出てパブリックコメントも出されているので、著作権法改正は今年前半が山場だろう。
南さんの紹介もあり、経済産業省高官や担当課に働きかけているが参議院選挙もあり表面上は動きは止まっている。


障害者権利条約には映画を含む文化のアクセスの保障が明確に義務つけられている。
日本政府は障害者権利条約に署名しているので、字幕義務付ける国内法をつくらなければならない立場にある。


番組の冒頭に聴覚障害者は35万人、潜在的な人も含めて「100万人以上」とナレーションの字幕が出た。
これは「1000万人」の誤植ではないか。ゼロがひとつ足りない。補聴器メーカーや販売会社から、1千万人を越える数字が再三出されている。

番組の制作者の調査不足、認識不足だ。全難聴などに問い合わせればすぐわかることだ。
再放送は、これだけは修正されなければならない。


ラビット 記