聴覚障害者の参政権と障害者権利条約

東京都聴覚障害参政権委員会で「聴覚障害者の参政権と障害者権利条約」について、説明した。

障害者権利条約の参政権に関わる条文は第29条にある。
しかし、ここに書かれていることを読むだけでは理解したことにならない。権利条約そのものを理解する必要がある。

障害者の参政権は単に投票する時の問題ではない。
権利条約を概観すると、障害者がひとりの人として尊厳をもって行きていくことそのものの問題ということが分かる。

権利条約は社会に積極的に主体的に関わって生きていくことを求めている。
生活、就労、教育、文化や社会的規範、基盤は政治で決まる。そのために政治に関わることが権利として擁護されなければならないということだ。


権利条約前文(e)、第1条の目的の最初になぜ「すべての障害者」と書いてあるのか。

第2条になぜコミュニケーションの定義が書かれているのか。

「英語のコミュニケーション」が政府仮訳ではなぜ「意思疎通」になっているのか。

なぜこれまでの人権条約と違うと言われるのか。

「英語のインペアメント」が政府仮訳では「障害者」となっては意味が変わってしまうのではないか。

「合理的配慮」は何か、もうけられたの何のためか。


東京都聴覚障害参政権委員会では、参加者から、意見が相次いだ。
参政権委員会では選挙時の情報保障にのみに関心を向けていたが改めて活動の方向性を考えたい」
「条約と国内法の関係はどうなのか」
「国内法の改正はなかなか難しいのではないか」
「広く障害者権利条約の学習を進める必要がある」
「第8条の意識の向上は非常に重要なポイントだと思う」
「政治に関わるというのは選挙の時だけではなく、行政機関や政党の中で活動することも含まれている」
「難聴者自身が立候補して欲しい」


この議論が広がることを期待している。

ラビット 記