障害者権利条約と難聴者(2)



難聴者にとっての障害者権利条約のポイントの二つ目は、コミュニケーションの定義だ。


権利条約では、障害者の種別や程度、環境によらず、コミュニケーションはあらゆる手段、様式を掲げており、しかも対面のその場のコミュニケーションだけではなく、アクセシブルな情報通信によるコミュニケーションも含めている。

難聴者のコミュニケーションは、聴覚、視覚的、体感的な情報のやりとりによって行われる。
権利条約では、聴覚には音声、音響、音楽、音などを聞くことを指し補助的な方法として補聴器や補聴支援システムがそれにあたる。
表記された文字は文字の掲示、音声の字幕、要約筆記などが該当し、手話は言語として規定された手話(いわゆる伝統的な手話)も音声の代替え的な手話表現も含まれる。
読話は音声の代替的な様式にあたる。筆記は書記言語、書き言葉で表されたもの、あるいは書くという方法、触覚その他の感覚による意思の伝達(コミュニケーション)などを全て網羅していることがポイントだ。


ちなみに条約の原文ではcommunicationコミュニケーションだが政府訳では「意思疎通」とされている。

コミュニケーションは情報の受け手の理解によって意味が生じる。
声を出しても相手にが聞こえなければコミュニケーションにならないということを良く考える必要がある。


ラビット 記