アクションプラン2008へのパブリックコメント(1)

内閣府が、地上デジタル放送移行にあたって、政府の取る施策をまとめた。
これのパブリックコメントが募集されており、CS障害者放送統一機構でパブリックコメントを二回にわたって提出した。


ラビット 記

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2008(平成20)年6月5日
アクションプラン2008のパブリックコメント
          
特定非営利活動法人 CS障害者放送統一機構                      理事長 高田英一

 プラン2008は、第6章で障害者にわずか触れているが、これはデジタル移行に伴って、現実に過度の負担を強いられる聴覚・視覚障害者に対し て、 具体的な補償措置になっていないので追加の 措置を執って下さい。

1.根本的な問題
 根本的な問題は経済的弱者等とすることで、具体的な明示がないため、障害者を経済的弱者という範疇でくくられた結論になっていることである。
 しかし、「等」の意味は経済的弱者と別に対等の存在の指示である。ここでは、明らかに障害者は経済的弱者とは別個の存在として対応が必要なことの明示と理解するのが正しい。
 聴覚障害者は、独自の問題として「目で聴くテレビ」による「字幕と手話」付加、緊急災害情報保障などが必要であるが、デジタル化のために現在のテ レビ視聴の環境が損なわれるので、アクショ ンプランの趣旨からその補償措置は当然である。

2.「情報受信装置」の地方公共団体に対する情報提供の実効性はない
 「情報受信装置」の給付の裁量権地方公共団体にあるので、厚生労働省の情報提供は地方公共団体に「情報受信装置」給付を保障するものとならない。そもそも、国の責任で行うべきことを地方 公共団体に転化するものとして地方公共団体から容易に反対されるであろう。

3.経済的弱者との対比
 経済的弱者に対するチュナー給付は5千円相当のクーポン券とされている。 しかし、聴覚障害者はデジタル適用の「目で聴くテレビ」受信のためには 「聴覚障害者情報受信装置アイ・ドラゴン 〓」 しか商品はなく、現行で9万8千円及び工事費用の新たな過大な負担を生じる。
そもそも対象商品が異なるのに、経済的弱者と障害者を同等視していることは問題である。

4.使えないデジタルテレビ
 デジタルテレビは、画面を見ながらのリモコン操作が主となっているため、視覚障害者には単独では操作が困難である。どのようにして、アナログ放送 段階の操作性を取り戻すのか明示されたい。

6.「障害者権利条約」との関連
 「障害者権利条約」は、その第21条「表現及び意見の自由並びに情報へのアクセス」(a)障害のある人に対し、適時にかつ追加の費用負担なしに、 異なる種類の障害に適応したアクセシブルな様式及び機器により、一般公衆向けの情報を提供すること。とあるが、障害者に対する上のような追加負担は明白に政府も署名した「障害者権利条約」に違反する。
以上


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