東京都の姿勢と難聴者の要望

東京都中途失聴・難聴者協会の保健福祉局への予算要求に対する東京都の姿勢は理不尽極まりない。

要望した内容に付いての説明が理由を伴っていないからだ。

グループ派遣問題。
東京都は社会参加促進事業として要約筆記者(奉仕員事業)の派遣事業をこれまで25年間続けてきた。
派遣対象は団体にも個人にも派遣されてきた。
が、障害者自立支援法により要約筆記者派遣事業は区市の必須事業となった。聴覚障害者個人が要約筆記の派遣を依頼することになる。
しかし、難聴者協会の理事会や例会等は複数の区市から難聴者が参加するので、個人派遣の難聴者に対し、倍数の要約筆記者が派遣されることになってしまう。

東京都は参加した難聴者数に応じて集団投影の派遣費用を按分する方式を検討したが、区市に提案するに至らず、団体の会議などを対象とする派遣事業は暫定的にグループ派遣として、都の事業として、実施していた。

東京都は平成21年度からグループ派遣を廃止すると言うが、その理由は要約筆記者は検事業は区市の事業だからというだけだ。
障害者自立支援法以前は、東京都は都内全域に対して、団体でも個人でも要約筆記者を派遣してきた。制度が変わって、区市が対応できないならば、サービスの低下にならないようにするのが東京都の役割だ。障害者自立支援法でも都道府県と市町村は連携して障害者の支援にあたらなければならないとある。

よしんば、グループ派遣を廃止するにしても、それに変わる方策が実施されて、影響が警備だというのなら分かる。しかし、東京都の言う按分方式は東京都は区市行政に口を出せないので提示すらしないという。また区市がこれに乗るかどうかも分からないという代物だ。
これは、普通はサービスの切り捨てという。

なぜ、東京都はグループ派遣の廃止にこだわるのか。
東京都は、自らが作らせた銀行が経営危機に陥ると無駄な400億円も追加投資したのに、たった400万円、1万分の1のお金がないとは思えない。東京オリンピックの招致にも莫大な予算を確保して、そのあおりで、医療、福祉、教育の予算が削られていることが最大の理由だ。
多分、グループ派遣を始めた際に、保健福祉局は財務当局に2年間限りとか約束をさせられたに違いない。

これを打開するには、国の方から地域生活支援事業は地域の実態に合わせて、柔軟に実施することが示されているが、さらにコミュニケーション支援事業は障害者当事者の活動を保障するものとして、新たな位置づけを与えるべきではないか。
東京都は、団体対象の派遣を特定の団体に供与というような狭い見方ではなく、いまは福祉は自助、共助、公助出行われることになっているので、特に特定非営利活動法人である難聴者協会などは都雅でいない中途失聴・難聴者へのエンパワメント、難聴問題の社会啓発、相談支援など幅広い活動をしていることを積極的に評価した対応をすべきではないか。


ラビット 記