K大学で難聴者の就労問題について、講義。

土曜日の夕方から、K大学の難聴者の就労問題に付いて講義をした。
都心の大学にしては緑の残っているキャンパスに新しいビルが道路を挟んで建っていた。

難聴のサラリーマンが職場でどのようにノートテイクを使っているかを話すと思いこんでいたが、難聴者の就労問題も、施策の課題についても説明して欲しいとメールがあり、急きょ講義内容を組み直した。
バンクーバーの国際難聴者会議で、日本の難聴者の就労問題を報告したばかりだったので、これに少し数字を加えて、レジメを作成した。

学生に話をしたのは言語聴覚士や手話通訳士を目指す学生に講義したことがあるが、一般の学生は初めてだ。
40人ほどの学生は、前の方の数人はこちらの方を向いているが、後の学生は聞いているのか、いないのか表情からは読みとれない。
今までは、要約筆記者だったり、難聴者だったり、話をすればとにかくも反応があった。

教室に時計がないので、前の二人の学生にそれぞれ残り30分と45分前になったら合図してくれるように頼んで、自分が補聴器と人工内耳をしていることから説明を始めた。
人工内耳はもちろん、補聴器も見たことがない学生ばかりだ。聞こえないということが会社の中でどう影響ががあるのかを説明した。

講義後質問の時間をとったが、誰も手を挙げない。講義後集めた感想文を見ると問題の理解がまだ浅いのはやむを得ないとしても話は聞いているようだ。手が上がらないのはなぜだろう。

講義後校舎を出るときに、学生たちがが手製の紙のプラカードを持って集会をしていた。大学の自治を守れとか、会館を守れとか書いてあった。
学生が自分たちと大学、学問について考え、こうした形で意思表示や行動を行うのは良いことだ。
講師に聞くと、今の学生は誰かと意見交換したり、表明することが不得手だとか。メール世代だからか。
自分も学生に帰ったような時間だった。


ラビット 記