難聴者のエンパワメントの実践と施策化

Kさん、
久しぶりの再会でしたね。ご返事が遅くなってすみません。名前は思い出せなかったですが確かに会ったことのある顔でした。

今の私は、難聴者がもっと力を付けるためにはどうしたらよいかを考えて実践しています。それは難聴者のエンパワメントです。エンパワメントとは障害者など人の本来持っている力や意欲を引き出すための働きかけです。
難聴者協会は日常的に難聴者に対してエンパワメントをしていますが、それをきちんと理論化し、対人援助技術として体系化して、それを施策化することに取り組んでいます。

一昨日の土曜日には、地域の難聴者の会で、難聴である人は難聴者になるために学ぶ必要がありその施策化が必要と話しました。
妊婦は母親になるために母親学級を受けるのと同じように難聴者は難聴者学級を受ける必要があるということです。

ここで言う難聴者とは難聴であることを自覚的に受け止め種々のコミュニケーション方法があることを学習し、対応方法について学んだ人です。母親学級は父親の受講が必要なように家族の受講も必要ですね。

講演は、最初は聞こえない人同士がどうしたらコミュニケーション出来るか、ウチワと簡易筆談ボードで行う方法を紹介しました。難聴の講師と会場の参加者が文字でコミュニケーション出来たのですが、筆談ボードを持っていない方が半数もいたので参加者同士で筆談の機会を作れば良かったと後で思ったことでした。

それから、自分はどうやって難聴者になったか、難聴者になるということはどういうことかについて話しましたが、この難聴であるということと難聴者になるということは違うということがポイントです。
難聴であることを前向きに受け止め、難聴に対して対応を考えることが出来る、社会の変革を求める人が難聴者ということです。つまり自覚的に難聴を受け止め、難聴と対応できる人が難聴者になるというような話をしました。

このためには、難聴者になるための「難聴者学級」が必要です。このことを自立支援法下でも出来ないか、厚生労働省に求めることにしています。
Kさんの難聴者協会を設立した大先輩が難聴老人大学を創設して実践されていたのを思い出しました。

こうした話でしたらいつでもしますので、呼んでください。


ラビット 記