人工内耳と補聴器併用の理由

補聴器で言葉がよく聞き取れずにいた。高い音が聞こえない感音性難聴だからだ。加齢とともにもっと聴力が低下して、かつ高音が聞き取れなくなるのは目に見えていた。

人工内耳は電極を蝸牛の中に挿入し、内耳を通さずに聴神経を刺激する。らせんを巻く蝸牛の手前部分が高い音で奥に行く程低い音を感じる。人工内耳は手前から挿入され奥まで電極が届かないが手前の高い音はしっかり聞こえるはずだ。
高い音を人工内耳で補えば低い音しか聞こえない補聴器は、明瞭に聞こえるはずだと考えた。

人工内耳だけではそこまで聞こえないが、両耳装用で聞こえていればそれでいいじゃんという考えだったが、ドクターも同じ考えを持っていた。
さらに、使い慣れている補聴器と併用することで、聞き取りがスムーズに(連続的に)向上するのではとも考えた。

補聴器と人工内耳を使っていると必ず補聴器側の聞こえがおかしくなる。
つまり、人工内耳の音が補聴器の聞こえの邪魔をするのだ。
しかし、それでも我慢して聞いているとちゃんと聞こえるようになるのだが、そこのところを確信していないと、みな補聴器より人工内耳の方が聞こえると言って、途中で補聴器をはずしてしまうみたいだ。

人工内耳と補聴器を併用すると、反響して聞こえるので頭の中で補聴器の音と時間的な差があるとかよく言われるが、そうではなく補聴器と人工内耳の聞こえ方が違うため、脳で一体的に聞く回路が出来ていないからだ。


ラビット 記