障害者基本法改正に関する課長会議資料

内閣府のホームページに、
「障害者施策推進課長会議における障害者施策の在り方に係る検討について」
が公開された。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kacho_hearing/index.html

 これは「障害者施策推進課長会議においては、障害者基本法の一部を改正する法律(平成16年法律第80号)附則第3条の検討規定を踏まえ、障害者に関する施策の在り方について検討を行い、以下のとおりその結果を取りまとめ」たもの。

障害者施策の在り方についての検討結果について(本文)
1.障害者基本法の実施状況等
2.障害者施策における課題と対応
3.障害者権利条約の締結に際し必要と考えられる障害者基本法の改正事項
の項目でまとめられている。

日本障害フォーラムJDFが、権利条約との関連箇所をまとめたものがある。

課題について

○障害の見直しは明文規定になったのか。

障害者基本法に罰則などを盛り込んだ実定法に出来るのか、差別禁止法を制定する必要があるだろう。

○中央障害者施策推進協議会にモニタリング機関の役割が担えるのか。その独立性、委員構成、予算など検討する必要がある。
資料提出の協力要請が出来るものとするなんて鼻から権限がないことを露呈している。


ラビット 記

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障害者施策の在り方についての検討結果について

平成20年12月26日
障害者施策推進課長会議

平成16 年6月に障害者基本法の一部を改正する法律(平成16 年法律第80号)が公布され、同法附則第3条においては、「政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後の規定の実施状況、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化等を勘案し、障害者に関する施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と規定されたところである。

平成21年6月には、上記改正後5年となることから、障害者施策推進本部の下に設置された当会議においては、本年6月から、この規定を踏まえ、これまでの障害者施策が障害者基本法の趣旨及び規定どおりに実施されてきたか。
特に、障害者基本計画(平成14 年12 月24 日閣議決定)及び重点施策実施5か年計画(平成14 年12 月24日障害者施策推進本部決定)に基づく施策は計画どおり実施されてきたか。

施策の実施状況を踏まえ、障害者施策にはどのような課題があるか。また、どのような措置が必要となるか。
障害者の権利に関する条約(仮称)の締結に際して、障害者基本法に関しどのような措置が必要となるか。
の各視点から検討を行ってきた。これらの検討に当たっては、障害のある人又はその御家族等延べ46の個人及び団体からの意見聴取を行うとともに、中央障害者施策推進協議会及び障害者施策推進本部参与会において御議論をいただいた。

以下は、当会議における検討の結果を取りまとめたものである。

<中略>

3.障害者権利条約の締結に際し必要と考えられる障害者基本法の改正事項

平成19 年12月に策定された新たな重点施策実施5か年計画においては、「障害者権利条約の可能な限り早期の締結を目指して必要な国内法令の整備を図る」こととしている。
障害者権利条約においては、障害を理由とする差別の定義として「合理的配慮の否定」という新たな概念を含むことが規定されるとともに、障害のある人等の関与・参加の下、条約の実施の促進、保護、監視を行う枠組み等を設けることを求めている。
一方、障害者基本法においては、障害を理由とする差別の禁止に係る基本的理念、国・地方公共団体及び国民の責務等が規定されている。
当会議においては、障害者権利条約の締結に際し、障害者基本法について、どのような措置が必要となるか検討し、その結果、同条約の締結に際し必要と考えられる改正事項を以下のとおり整理した。

(1)差別の定義を新たに設け、差別について類型的に記載する。

(2)(1)の定義においては、「合理的配慮の否定」が差別に含まれることを明記する。

(3)基本的理念として規定された差別の禁止について、(2)を踏まえたものとする。

(4)国及び地方公共団体の責務として規定された差別の防止について、(2)を踏まえたものとする。

(5)国民の理解のために、(1)及び(2)において定義された差別に該当するおそれのある事例を国が収集し、公表することとする。

(6)国民の責務における差別防止の努力について、(2)を踏まえたものとする。

(7)中央障害者施策推進協議会について、障害者基本計画の作成及び変更の際の意見聴取に加えて、障害者施策に関する調査審議、意見具申及び施策の実施状況の監視等の所掌事務を追加する。

(8)中央障害者施策推進協議会について、関係行政機関に対する資料提出等の協力の要請ができることとする。

 なお、障害のある人等からの意見聴取において、障害者基本法の改正に関し、下表3に掲げる御意見をいただいている。これらの意見の中には、障害者権
>> 利条約の締結に当たって必要と考えられる改正事項(上述の(1)〜(8))には該当しないものも含まれている。

>> <中略>

>>  以上の検討結果を踏まえ、当会議としては、障害者基本法について、障害者権利条約の早期締結に向け、3.(1)から(8)までに掲げる改正事項を盛
>> り込むことが適当と考える。
>>  障害者基本法は、これまで議員立法によって制定・改正がなされてきたところであり、今後、国会における障害者基本法の見直しに向けた議論を注視しつ
>> つ、必要な協力を行っていくこととする。

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