難聴者の社会福祉学習 家政学概論第5回

家政学概論の最後のレポートは、住まい、住生活環境に関する内容だったが、バリアフリーについて、質問された。

1.高齢者や障害者は、生活環境の影響をもっとも受けやすく、住み慣れた地域での在宅生活を支えるには「バリアフリー」という概念が求められます。「バリアフリー」とはどのような考えなのか、具体的に説明しなさい。

「障害を持つ人が生活していく上で、障壁(バリアー)となるものを取り除き、自由に社会参加できるようにする考え。障害は機能障害を持つ人にあるのではなく、社会の理解(意識)と環境にあるとする考えは国連障害者権利条約に明記された。」

※具体的なに説明せよとあるので、街の中のエレベーターやスロープ、手すりなどの設置例や交通機関の電光表示について述べれば良いのか、考えを具体的に説明するかで迷った。下記の設問が具体例を挙げることを求めているので、「障害」の定義をしめした。

2.バリアフリーの視点からあなたの住む町を見直し、良いところ、改善が必要なところを述べなさい。
1)良いところ
団地にエレベーターと手すり、スロープが設置され、私鉄駅舎にもエレベーターが設置されている。スーパー店内も車いすの通れる通路、トイレがある。駅入り口に、筆談用具と電光表示板がある。

2)聞こえに関するバリアフリーの取り組みが遅れている。私鉄駅にホームに電光掲示板がなく、アナウンスが分からない。エレベータに外と連絡する通話装置がない。団地は密室となり、警報が室内で聞こえない。

※聞こえのバリアフリーについては具体的に述べることが出来た。難聴者用電話の設置や補聴設備についてまで各スペースがなかった。

【フィードバック】
?の1の設問はバリアフリーを具体的に述べよとあったが、書かなかった。代わりに「障害」となるのは障害者の機能の障害ではなく、社会の意識と環境との相互作用の結果生じるものとした。これは、車いすを使っていても、エレベーターやスロープ、リフト付きバスなどによって、移動の障害はなくなるということだ。
住宅に身体技法のケアを適用する際に、家事労働、衣食をするための移動の保障が重視されているが、情報化社会の中でコミュニケーションがもっと重視され、「良く聞こえる」住環境の整備も考えねばならない。

【講評】
大変よく学習されています。問題意識を持って、取り組まれましたね。バリアフリー化の第一歩は、人と人の綱在り方を考えていくことなのかもしれませんね。ともに生きていくために出来ることを考えていきたいものです。学びをこれからの力にしていただきたいです。

家政学概論の学習は、衣食住と学習してきたが、「住生活基本法」と言うものがあることを知って、驚いた。しかし、住宅供給は国ではなく、地方公共団体、民間ディベロッパー、消費者が主体となることがポイントとあって、国の責任が住宅施策でも後退していることが分かった。

聴覚障害者、高齢者の住生活も災害時や地域の文化行事にせよ、地域生活支援の基盤のなので、十分考慮しなくてはならない。


ラビット記