テレビの字幕の遅れを考える

たまたま見ていたテレビで、昔の漫才師、タレントを紹介していた。

字幕放送の字幕が出ていたが、遅れに遅れて表示されていた。2、3分は遅れていただろう。前の漫才師の話の字幕が次の映像と音声にかぶっていた。

録画の字幕だったら、音声と同期するように調整されいただろう。この番組は今のタレントが昔の漫才を見てコメントする番組だったが、生放送の字幕だったのだろうか。それともぎりぎりで制作されたので字幕制作する余裕のないままオンエアーになったものか。事前制作する余裕のないときは、放送時に入力するので生放送と同じ形になる。

生放送の字幕はどうしても聞いてから入力するので遅れる。しかし、今回のようにこんなに遅れることは通常ない。

問題は、これをどう見るか。放送局は途中をはしょって字幕を出来るだけ追いつかせることもできただろうに、そうしなかったのはなぜか。早変わりする字幕だけ見ていれば字幕の範囲で分かるかもしれない。

省略すると、漫才師サイドから何故自分のだけカットしたのかとクレームが出るのを恐れたのか、それとも音声をそのまま字幕にしなければならないと思っていたのか。

字幕が必要な難聴者からは映像と音声が同期していることが望ましい。生放送の字幕だから遅れても良いのかというとそうではないだろう。字幕が遅れてはいけないのなら生放送の字幕放送は出来ないと言うのではなく、利用者の声を元に実現を図って欲しい。

映像と音声を遅らせて、字幕放送の字幕に同期する技術がある。2年前の視聴覚障害者向け番組のあり方を検討する研究会でこの技術がある放送事業者とシステムを開発したメーカーとで報告されたが、今の地デジ放送の放送設備を全て変えなければ対応できない、費用の負担ができないという他の事業者の意見もあり、日の目を見ていない。
実は、地デジの映像と音声はすでにアナログのより、数秒間遅れている。地デジで時報の放送は出来ない。

放送事業者は、ユーザーの立場で問題解決する視点が欲しい。


ラビット 記